2022年6月定例会議の一般質問の読み原稿です。

「はい! 議長、25番。」

真結(まゆ)の会の、二階堂武文です。会派の一員として質問をします。

最初に、この度(6月3日)のヒョウの被害にあわれた農家の皆さんにお見舞い申し上げます。昨年の凍霜被害に引き続き被害にあわれた方もおります。昨日の答弁でもありましたが、速報値で被害額は5億9,700万円で、「市としても農家のみなさんの心が折れないよう、関係機関と連携して、早急に必要な支援策の検討をします」とありました。本日は、ナシ農家のみなさんも傍聴に足を運んでいただいております。本市はじめ関係機関の迅速な対応をよろしくお願いして、質問に入ります。

1、令和4年度福島市総合防災訓練について

(1)開催地域内の啓発や共助の発想を取り込んだ今後の防災訓練の在り方について

5月21日土曜日、令和4年度の福島市総合防災訓練が実施されました。関係者の皆さん、本当にご苦労様でした。吾妻地区選出の4名の市議会議員にも案内をいただき、真田議長共々、庭坂小学校の会場において、参観させていただきました。みなさんのキビキビとした訓練を見ながら、その場で出た地域の方々のご意見等を踏まえ、このような機会を有効に生かすべく、いくつか質問します。今回の訓練は、災害対策基本法及び福島市地域防災計画に定める訓練を、各防災関係機関などが緊密な連携を図りながら、災害時における迅速かつ的確な防災体制の確立と、市民の防災意識の高揚を図ることを目的に、特に、今回は、コロナウイルス感染症が収束しない中で、火山災害の危険性が高まった状況を想定し、災害から命を守るための避難行動を重視して行うとあります。

①今回の訓練想定について参加人員体制を含めて伺う。

(当局の答弁)

➁今回の「避難発令」想定と2019年度改訂版ハザードマップにおける大規模な融雪による火山泥流の発生の場合との避難体制の違いについて伺う。

(当局の答弁)

融雪による火山泥流が、噴火から福島盆地に流れ込んでくるまでの時間は最短で15分程度。そこから東北自動車道付近までは約30分。阿武隈川までは約60分とあります。最悪のケースですが、地元の在庭坂、土船、佐原付近の各渓流の谷の出口付近で、融雪型火山泥流が到達する時間が15分から30分です。この短時間に避難者受け入れの初期体制のカギを握るのは、想定避難者を受け入れる地元の皆さんの動きです。しかし、たとえば、避難者のクルマを受け入れる校庭のゲートのカギの状況は、小学校の校舎の中に保管されています。災害は昼夜を問わず発生します。カギを管理する、現在の校長先生は福島駅周辺にお住まいです。駆け付けるまでは時間がかかります。そこで質問です。

➂想定避難者を受け入れる地元・町庭坂の消防団第37分団、避難会場の庭坂小学校に一番近い内町町内会、湯町町内会への役員等の参観は、今後の地域連携のために必要だったのではと思う。被災時、避難者のクルマを受け入れる校庭のゲートのカギの問題をはじめ、想定避難者を受け入れる地域との連携について伺う。

(当局の答弁)

2017年8月27日、福島県と福島市は県機動隊センターなどで県総合防災訓練をおこないました。私もご案内いただき参観しました。コロナ禍ではありませんでしたので、各種救助訓練と共に、ボランティアセンターを設置して物資の運搬や炊き出し、消火作業などの訓練には市民や中学生も参加、災害時の心構えを学んだ。県災害対策課の小滝和幸主幹は、「地域内での助け合いで救われる命がある。互いの結束を強めることが重要」と話されました。そこで、質問です。

④今回の想定避難者を受け入れる開催地域内の啓発や共助の発想を取り込んだ今後の防災訓練の在り方について伺う。

(当局の答弁)

 

2、福島市と米沢市を結ぶ歴史遺産の保存活用について

(1)旧米沢街道と李平地区の歴史遺産の保存活用について

今年も6月5日日曜日、吾妻地区郷土・史談会(史談会)による李平(すももだいら)宿場跡と街道石畳周辺の草の刈り払いと保全作業が行われました。本日は近野会長はじめ、会員のみなさんがお越しで、ご苦労様でした。このボランティア活動は、昭和63年から続けられてきました。「要望書」の一節ですが、「険しい山中でもあり、雨水等による崩落や土砂が道を覆ってくるなどがあり、かつての石畳の街道も山林に復そうとしています。中世から近世にかけての福島と米沢を結ぶ大動脈として栄え、上杉鷹山公やその師である細井平洲、また高野長英などの多くの歴史人物が通った街道がこのまま朽ち果てることは、本市の歴史を刻んだ歴史的遺産を失うことであり、その損失は避けなければなりません。市としてもその価値を認識いただき、これ以上の荒廃を防ぎ、その姿を後世に伝えるためにも、市として李平地区から街道石畳部分の調査を行ったうえで、福島市指定文化財として指定いただきたい」というもので、要望書は平成31年1月、史談会の今野元洋会長から教育長に手渡されました。そこで、質問です。

①平成31年1月の吾妻地区郷土史談会から提出の「要望書」について、この間の審査の状況について伺う。

(当局の答弁)

➁今後の調査の進め方について伺う。

(当局の答弁)

続いて江戸から明治の道についてです。

(2)二ッ小屋隧道(トンネル)の土木的な歴史遺産について

今年2月22日に、「萬世大路事業誌」復刻記念事業「萬世大路等の保全と利活用を考える」が、福島テルサホールで約180名が参加して開催されました。私も先輩議員と共に参加しました。主催者挨拶は二ッ小屋隧道保存会の加藤佳一会長代行、共催者挨拶では市長代理で林前建設部長、来賓挨拶は県土木部長代理で県北建設事務所の白石企画管理部長。基調講演は、県文化保護審議会委員の守谷早苗氏でテーマは「土木遺産等の保存と活用について」でした。その後、「萬世大路等の保全と利活用を考える」のパネルディスカッションには、ふくしま荒川ミュージアム推進会議評議員の伊藤登氏をコーディネーターに、5名のパネリストと福島河川国道事務所の福島陽介所長がアドバイザーとして参加されました。

そもそも萬世大路は、明治9年山形県令三島通庸氏らにより山形県と福島県を結ぶ本道路の工事が始められ、明治14年に全長876mの栗子隧道を含む全区間が完成開通。明治14年10月には明治天皇が巡幸し、翌年、栗子(刈安)新道を万世大路(萬世大路)と称するよう勅令があったという、明治初頭の新道建設に関する路線や隧道、橋梁などの施設が現存している貴重な遺跡であります。

①二ッ小屋隧道の土木的な歴史遺産について、市の見解を伺う。

(当局の答弁)

➁現在までの隧道の所有者の推移について伺う。

(当局の答弁)

〈再質問〉この所有者というのは、イコール管理者と捉えてよろしいでしょうか。

(当局の答弁)

➂さて、福島県側と比較する時、現在の山形県側の管理状況について市が把握している内容を伺う。

(当局の答弁)

今年2月11日に10名の県外のクルーが氷柱を見に隧道に入り、転んでケガをしてドクターヘリは出動しました。その後、関係する4団体で注意喚起の看板を立てたと伺いました。

④今後、市として観光等の活用を考える場合、管理者を決めていかなければならないと思うが、今後どのように考えていくのか、現在の協議状況も含め見解を伺う。

(当局の答弁)

3、認知症高齢者と家族が安心して暮らせるまちづくりについて

(1)福島市の高齢者をめぐる現状について

本市は、認知症の人も周囲の人も安心して、自分らしく暮らし続けることができるまちを目指し、施策を推進してきました。高齢化の進行に伴い、認知症の人はさらに増加することが予測される中で、目指す姿の実現に向け、令和3年度から令和5年度を計画期間として、今年3月にオレンジプランの第3期計画を策定しました。この間、平成30年度には、認知症本人やその家族の思いを施策展開に活用するため、「認知症の人と家族の実態調査~こころの声アンケート~」を実施して、そこで得た視点を、この第3期計画に反映させています。さて、質問です。

①本市認知症高齢者等QRコード活用見守り事業概要について、直近の登録者数も含めて伺う。

(当局の答弁)

(2)認知症高齢者の事故やトラブルと自治体独自の救済制度について

①昨年11月に全国市長会で「高齢者福祉施策に関する提言」を行い、その中で「認知症患者が起こした事故に対する損害賠償請求について、支援制度を創設すること」を求めているが、この点をめぐる本市の現状認識を伺う。

(当局の答弁)

➁自治体における認知症保険加入支援について、県内でもすでに白河市、田村市が行っているが、加入者数をその加入条件を含めて、本市が把握している情報があれば伺う。

(当局の答弁)

➂両市がこの事業に費やしている年間の保険加入に係る総予算について、本市が把握している情報があれば伺う。

(当局の答弁)

④認知症高齢者と家族が安心して暮らせるまちづくりの具体的な施策提案として、本市認知症高齢者等QRコード活用見守り事業の登録者を対象とした、事故 やトラブル発生時の本市独自の救済制度導入が待ち望まれるが、見解を伺う。

(当局の答弁)

6月定例会議直前の5月27日、約40年間ずっとボランティアで「認知症の人と家族の会」を支え続けて来られた福島県支部代表世話人の佐藤和子さんとスタッフの方に、最近の状況についてお話ができました。家族の会福島支部では月1回世話人の会に合わせて相談会を開催していて、約20人が集まるそうです。今まで、不安でひっそり一人で抱えてきた家族の皆さんが、このような行政の制度、認知症高齢者向けの自治体補償があれば、いかに安心できるか、再び話をお伺いしました。ここが認知症対策のポイントだと思います。最初は何か事があれば、家族の自己責任と言われたのが、社会が支える形を具体化した制度です。認知症の人と家族を社会が支え、安心して暮らせるまちづくりの施策です。他市の事例を参考に試算した場合、人口規模を考慮しても、あくまで限られた予算かと思われます。後は、行政サイドの寄り添う気持ちの強さとスピード感が大切です。今回の話では、家族としては、行政も一緒に支援してくれると思うと気持ち的に本当にラクになると聞きました。家族の皆さんがまちのぞんでいます。認知症の人にも家族にも優しい県都ふくしまへ、さらに1歩、近づいてみませんか。

4、福島駅東口地区第一種市街地再開発事業について

(1)令和8年度のグランドオープンに向けて情報共有の輪を広め、機運醸成を図る必要性について

5月12日に福島市議会全員協議会が開催されて、「福島駅東口地区第一種市街地再開発事業及び福島駅前交流・集客拠点施設整備」について説明がありました。

スケジュールでは、すでに5月上旬には従前店舗等の権利者交渉が整い、区域外への移転がすべて完了し、7月上旬には建物本体の解体が着手され、令和5年から令和7年まで3カ年かけて建築工事が行われて、令和8年にグランドオープンの予定です。従来の基本計画(令和2年3月)からの大きな変更点は、「新型コロナ後のニューノーマルな社会への適用の必要性」から、大ホールと展示ホールの一体化(ハイブリット化)で稼働率を高める作戦変更が注目されます。ある時は1500席の大ホール、ある時は約3000㎡の展示ホール、さらには約800席のホール+展示ホールというように可変性を持たせて、多様なニーズに対応できるホールに整備することになりました。複合棟に駅前通りに面してイベントスペースや、商業スペースのデッキテラスが設けられるイメージ図から、今までの駅前通りにはなかった楽しい雰囲気が伝わってきます。この期待感をみなさんと共有できたらと思います。そこで、質問です。

➀令和4年6月5日開催の福島駅東口地区第一種市街地再開発事業及び福島駅前交流・集客拠点施設整備についてのタウンミーティングの開催状況について伺う。

(当局の答弁)

当日は私も参加。今、答弁いただきましたが、アオウゼの多目的ホールには約100人の市民の方が集まりました。多くの市民の方の中には顔見知りの方もいて、中合の元店長、イベント会社の社長、元県職員の都市計画担当者、主婦や大学生の方、同僚市議など、あの場に福島愛を持ち寄った感じでした。この場で出たご意見ですが、「これほどみなさん、福島のために考えているんだと思った」「若い世代の方にも周知して、参加いただければ」と伺いました。そこで質問です。

②平成31年3月には「東京2020オリンピック・パラリンピック調査特別委員会」で福島成蹊高校生徒36名と意見交換会をしたが、今回のタウンミーティングも若い世代、高校生や大学・短大生を対象とした企画も必要と思うが見解を伺う。

(当局の答弁)

私もオリパラ特別委員会の意見交換会ではD班に、今回はEグループに参加して意見を述べましたが、ともに参加者の皆さんが意見を持ち寄り、熱く語り合いました。

➂駅前に続く本町商店街の声として、「商店街のテナントビルの話だが、100坪や150坪のフロアーの物件の客付けができない状態である。先行きが見えず、修繕や整備などの新たな投資もできず、通りに面した外装ですら傷んだままである。将来、駅前の再開発事業が進み、集客施設が建設されるとなれば、その周辺もそうした動きがなくなるはずが、そうはなっていない。将来どうなるかわからないという街ではなくて、未来のある街なんだ、ということをトップセールスや様々な展示会、エキスポなどに積極的に参加し、発信してほしい」というご意見を頂戴した。市外・県外に対し、積極的に発信することについて、見解を伺う。

(当局の答弁)

今回のタウンミーティングの最後に、商工観光部長の講評を行いました。「活発な意見、ご要望、期待の大きさに感銘しました。今回出されたイベントのデータベース化等、ご意見を活かしていきたい」と締めくくられて、終了となりました。次をぜひ企画していただきたいと思った方は多かったと思います。市側の担当者の皆さんには、あの場の熱気を上回る情熱で、次の展開をよろしくお願いします。

5、労働者協同組合法(労協法)について

(1)「就労創出」「地域貢献」を目的と掲げる労協法について

この労協法成立には、本議会もかかわっております。平成20(2008)年12月2日、「協働労働の共同組合法」の速やかなる制定を求める意見書採択に関する請願書」が、各派6名の紹介議員―粕谷議員、大越議員、丹治智幸議員、杉原議員、須貝議員、齋藤朝興議員により山岸清議長に提出され、12月定例会議で、議案第294号として可決しました。

この意見書では、「地域の様々な課題を解決するため、行政のみならず市民との協働が求められている今日、協働労働という新しい働き方が注目されている。協働労働の協同組合は、組合に参加するすべての人が協働で出資、経営し働く形をとっており、働くことを通じて人と人とのつながりを取り戻し、コミュニティの再生を目指す活動を続けている。全国にはこの理念の下で多数の人が活動しており、フリーターやワーキングプアの受け皿としても期待されている。しかし、現在この協働労働の協同組合には法的根拠がないため、社会的理解が不十分であり、社会保障の負担が働く個人にかかるなどの問題が生じている。すでに、欧米では、労働者協同組合(ワーカーズコープ、コープコレクティブ)についての法整備がされている。我が国においても、協働労働の共同組合の法制度を求める取り組みが広がり、多くの団体がこれに賛同し、国会では超党派の議員連盟が発足するなど法制化の検討が始まっている。よって、国においては、地域活性化の視点からも、協働労働の協同組合法についてしっかりとした議論を行い、速やかなる制定を行うことを強く要望する」ものでした。

あれから12年、2020年12月。今、この議場にいらっしゃる議員のみなさんのレターボックスに、一通の感謝状が届いておりました。みなさん、目を通されと思います。「おかげさまで、本年12月4日、臨時国会において、与野党・全会派一致により「労働者協同組合法」が成立し、同月11日に公布されました。多大なるご支援をいただきました皆様には感謝申し上げます。この意見書の採択をいただく運動は2008年に始まり、東北6県では144議会、全国では930議会で採択いただきました。今回の成立には、この意見書の力強い後押しが不可欠であったと受け止めております。本当にありがとうございました」。日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団の南東北事業本部長佐々木洋志氏からでした。

5月23日、仙台の佐々木事業本部長を尋ね、福島市内、県内、東北エリアでの活動の歩みを伺ってきました。福島市内でも、成川の小規模保育所1カ所、三河台・笹谷・瀬上の放課後児童クラブ3カ所を開所するとともに、この間、福島大学においても「ワーカーズコープ論~共同で起こす仕事と地域づくり」の提供講座を4か月全15回実施して、毎回150名ほどの学生が受講したと伺いました。全国では、すでに広島市が「協働労働」促進事業を展開しており、「地域の皆さんによる協働労働の仕組みを活用した地域課題解決のための取組み」をしています。

そこで質問です。

①労協法成立の意義について本市の見解を伺う。

(当局の答弁)

➁本市における、今後の活用について見解を伺う。

(当局の答弁)

以上です。