2021年12月定例会議の一般質問読み原稿です。

「はい! 議長、25番。」 真結(まゆ)の会の、二階堂武文です。会派の一員として質問をします。

1、       小・中学校の運動施設の照明設備とその利用について 

(1)小・中学校の体育館のLED入替の状況について 

地元の吾妻中学校では10月までに体育館と校舎のLED化の工事が終わり、「今まで暗かったので、明るくなり、大分、教育環境が改善されました」と喜ばれていました。背景には、平成25年10月の水銀による汚染防止を目指した「水銀に関する水俣条約」が、国連環境計画の外交会議で採択・署名されたことがあります。これにより一般照明用の高圧水銀灯については、水銀含有量に関係なく、製造、輸出または輸入が2021年から禁止となりました。「水銀規制」により照明器具をLED化することが文部科学省の補助事業になっているとも伺いました。質問です。

➀小・中学校の体育館の耐震工事に合わせた水銀灯からLEDへの入替状況を伺う。

(当局の答弁)

【再質問】只今の答弁についてですが、今後の入替計画について伺います。

(当局の答弁)

次に移ります。

(2)小・中学校の夜間照明設備について

11月ごろ、吾妻中学校の保護者の家族の方から、電話をいただきました。「日が暮れるのが早くなり、野球部に入っている子供がグランドのある照明を使って練習をしたいのだがいかがなものか」という話でした。ちょうど夕方に学校に届け物があり、教頭先生と話す機会がありました。ソフトテニス部と軟式野球部が練習をしていました。話しでは、「日が短くなりグランドは5時前には暗くなり、何もできなくなります。6校時が終わるのが4時10分。それから着替え準備してグランドに出ますが、日が暮れるのが早く、ボールに触(さわ)れるのは10分、15分です」ということです。12月に入るとさらに早まり、4時半ぐらいになるともう暗いですね。通常は5時30分下校なので部活は5時15分くらいまでできるんですが、もう少し伸び伸び練習したいという思いに応えていただきたいところです。質問です。

 ➀小・中学校の屋外運動場に夜間照明設備が設置された経緯を伺う。

(当局の答弁)

 ②この小・中学校の運動場の夜間照明設備の過去5年間の利用状況を年ごとに伺う。

(当局の答弁)

 ③福島市学校施設開放事業の施設だが、中学校においては秋から冬にかけての日没が早まる期間の部活動へも利用範囲を広げて有効活用させて欲しいとの生徒や保護者のみなさんの声があるが、所見を伺う。

(当局の答弁)

 ④約半世紀前のスタート時と比べ、グランドの整備も進み、利用する競技種目も変化してきている。「学校施設開放事業取扱要領」の見直しが必要と思うが、見解を伺う。

(当局の答弁)

部活も教育活動の一つです。生徒や保護者の声に寄り添って柔軟な対応を要望して次に移ります。

2、福島駅東口地区市街地再開発事業について

10月19日の地元新聞に載った記事です。「福島市のJR福島駅東口周辺で来年度から本格化する官民連携での再開発事業を巡り、木幡浩市長は10月18日、県に対し、十分な予算確保を要望した。県庁を訪れた木幡市長は『再開発事業は県全体に貢献でき、市にとって命運を懸けている。県の支援をお願いしたい』と述べた。井出孝利副知事は『県都の顔となる重要拠点。早期建設に協力する』と応じた」とありました。そこで質問です。

(1)福島県内堀知事への福島駅東口地区市街地再開発事業への支援の要望書について  

①要望書の内容について伺う。

(当局の答弁)

昭和46年12月から昭和49年3月に施行された福島駅前第一市街地再開発事業は、福島市の玄関口にあたるJR福島駅及び駅前広場に面し、交通機関の重要拠点であり、また商業業務の中心地としてその機能更新並びに土地の高度利用が必要とされている地区でありました。当初A-I(ワン)地区(辰巳屋ビル)単独で進められていたが、地区全体の基本計画達成のため計画を変更し、昭和47年3月A-II(ツー)地区(平和ビル)と一体で都市計画決定されました。次の質問ですが、

②昭和46年12月から昭和49年3月に施行された福島駅前第一市街地再開発事業に対し、施行者の総事業費における市を含めての公的な補助について、市が把握している内容を伺う。

(当局の答弁)

③今回の再開発組合設立時の総事業費の見込みに対し、施行者への市を含めての公的な補助の見通しについて、市が把握している内容を伺う。

(当局の答弁)

(2)福島駅東口地区市街地再開発事業の今後のスケジュールについて  

①再開発エリア内で営業している飲食店、物販店等の営業終了時期を含めて、令和8年の施設オープンに向けて解体工事期間、建設工事期間のスケジュールについて伺う。

(当局の答弁)

【再質問】只今の答弁に対してですが、現在、営業している店舗数は答えられますか。

(当局の答弁)

10月16日付の地元新聞の、「福島市長選告示まで1カ月」という企画記事の一節です。「大型複合施設の開所予定が2026年と5年先のため、中心部の空洞化が懸念されている。24年12月には隣の伊達市に大型商業施設『イオンモール北福島(仮称)』が開業予定で、繁華街から客が離れる恐れもある」。同じ記事中で、市商店街連合会長の小河日出男会長は、『再開発事業の工事期間中は県都の顔である駅前の様子が一変する。イオンモールの影響が出るかもしれない』と語っているが、そこで質問です。

②この再開発期間における中心部の空洞化に対する市民の懸念について、それを払拭する今後の取組みについて伺う。

(当局の答弁)

以前のコルニエ・ツタヤ跡に今年4月に開設された県立医大・保健科学部(写真)に、6月23日、会派の視察で伺いました。現在は1期生143人と教員50名の合計193名だが、毎年、1学年約150名ずつ増えて、3年後には4学年で580人の学生。ここに、教員が最終的には67名集まる予定で、合わせると647名が学ぶキャンパスとなります。年々街なかに学生が増加する。若者が活性化のカギとなって行くことを確認して、次に移ります。

3、認知症高齢者と家族が安心して暮らせるまちづくりについて

(1)福島市の高齢者をめぐる現状について 

本市においても、団塊の世代が 75 歳以上の後期高齢者となる 2025 年(令和 7 年)の地域包括ケアシステム構築を念頭に、平成27年から29年度を第1期、平成30年度から令和2年度には第2期のオレンジプランを策定し、認知症の人も周囲の人も、安心して、自分らしく暮らし続けることができるまちを目指し、施策を推進してきました。高齢化の進行に伴い、認知症の人はさらに増加することが予測される中で、目指す姿の実現に向け、令和3年度から令和5年度を計画期間として、今年3月に第3期計画を策定しました。この間、平成30年度には、認知症本人やその家族の思いを施策展開に活用するため、「認知症の人と家族の実態調査~こころの声アンケート~」を実施して、そこで得た視点をこの第3期計画に反映させています。

質問に移ります。①ですが、

①福島市における認知症高齢者数について直近のデータを伺う。

(当局の答弁)

②福島市の認知症施策である「福島市オレンジプラン2021」の主な取り組みについてポイントを伺う。

(当局の答弁)

【再質問】只今の答弁に対して、質問です。4番目に挙げた「地域での日常生活・家族支援の強化」ですが、「こころの声アンケート」で得た視点等も活用をしながら対応されていると思いますが、もう少し家族支援の内容についてお願いします。

(当局の答弁)

(2)認知症高齢者の事故やトラブルと自治体独自の救済制度について

今回の質問のきっかけとなったのは、ニュース番組で「認知症の人にやさしいまち神戸モデル」が紹介されていたことです。神戸市では65歳以上の市民を対象に早期受診を支援する『認知症診断助成制度』と、認知症の方が外出時などで事故に遭われた場合に救済する『認知症事故救済制度』を組み合わせて実施している」ものです。

日本総研の今年3月のレポートです。「高齢化に伴い、認知症の人は年々増加しており、2025年には700万人を超えると予想されている。これに伴って、認知症の人が引き起こしてしまう事故やトラブルが増えることが懸念される。特に、認知症の人の周辺症状により、他人の物を破損させる行為、他人への粗暴行為、道に迷い方向不明になる、電車や自動車等の交通事故に巻き込まれるなどといったトラブルが発生した場合、法律上の損害賠償責任がその家族や法定の監督義務者に及ぶ可能性もある」というものです。

次に、紹介するのは、国民生活センターの『国民生活』2020年4月号の「消費問題アラカルト」の記事です。

「認知症高齢者の事故やトラブルで家族が賠償責任を問われる可能性があると強く意識されるようになったのは、2016年3月にJR東海・共和駅での認知症高齢者の事故に対する最高裁判決が出てからです。概要は、2007年12月に、家族が目を離したすきに要介護4の認知症患者の男性(当時91歳)が線路内に立ち入って電車にはねられて亡くなり、JR東海は、男性の妻(当時85歳、要介護1)と別居の長男に対し、事故による振り替え輸送費等の損害賠償約720万円を求める裁判を起こしました。一審では、長男の監督責任と85歳の妻の過失責任を認め、2人に約720万円の賠償を命じたものの、二審では同居して主(おも)に介護を担っていた妻に賠償が命じられました。その後の最高裁判決では、『監督義務者不在』と判断され、賠償請求は棄却されました。

ただし、見方を変えれば、監督責任を問える客観的な状況があれば、離れて暮らす息子や娘も責任を問われる可能性があるという『リスク』が明確になった訳です。また、判決では、法定監督義務者がいない状況で認知症患者が加害事故を起こした場合に、加害者は救済されないという問題が残ることも明らかになりました」。そこで、質問に移ります。

➀認知症高齢者による賠償事故のリスクについて市の見解を伺う。

(当局の答弁)

今まで述べてきた背景を基に、民間保険を活用した事故救済制度を独自に導入する自治体が増えています。一つは「個人賠償責任保険」という民間保険を活用し、加入を支援するなどの施策の実施であり、さらには、現在は契約も、契約者が自治体、被保険者が認知症の住民という形になってきており、事前に登録された認知症の住民が被保険者となります。該当する事故が起こると、保険会社から被保険者や被害者に保険金が払われます。自治体が保険料を負担し、被保険者の負担はないか、あっても年間数百円程度といいます。

先ほどの日本総研のレポートによると、平成29年11月に神奈川県大和市(やまとし)が先駆けて導入し、続いて大府市(おおぶし)、海老名市、小山市、久留米市など令和2年7月時点で少なくとも61市区町村がこの保険を活用した補償制度の運用を始めています。また、神戸市のように三井住友海上火災保険株式会社と連携して、賠償責任がなくても見舞金が支払われる、という独自の事故救済の仕組みを用意している例もあります。

この令和2年7月時点の認知症保険・加入支援自治体一覧に、県内では白河市と田村市が入っています。そこで質問②です。

②自治体における認知症保険加入支援について、県内でも白河市、田村市が行っているというが本市が把握している情報があれば伺う。

(当局の答弁)

次に、現場からの声として、昨年の福島社会福祉審議会・高齢者福祉専門分科会において、委員から、家族の皆さんが安心できる自治体による認知症保険加入支援の要望が出されました。議事録から紹介します。

「認知症の人はどこに出歩くかわからないし、実際に少しの隙にどこかへ行ってしまって事故に遭わないとも限りません。愛知県大府市(おおぶし)では、認知症の本人や家族が市に登録すれば、個人賠償責任保険というものを市が保険会社と契約して、もしそういう事故が起きて賠償責任などが発生した場合、保険会社に対応していただく制度を実施しています。市の負担にはなりますが、一人当たりの保険金額はそれほどでもないし、何百万といった金額にはならないので、できれば今回の三か年計画の中に、市が登録した人については個人賠償責任の保険の契約ができるように、是非入れていただきたいと思います。認知症の人が身内にいる家族にとって、事故を起こした場合、どういう責任があるのかといった不安が日常的にあります。今のところ、私ども家族の会本部では、やはり保険が一番いいのではないかと取組みをしております。福島市においても、そういった制度を取り入れていただければと思います。要望ということでお願いいたします。」

ここで、質問③になります。

③昨年の福島社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会でも委員から家族の皆さんが安心できる自治体による認知症保険加入支援の要望が出されたと伺ったが、認知症高齢者と家族が安心して暮らせるまちづくりの具体的な施策の実現に踏み切る時かと思うが、見解を伺う。

(当局の答弁)

先日、38年間ずっとボランティアで「認知症の人と家族の会」を支え続けて来られた福島県支部代表世話人の佐藤和子さんとお話ができました。

「今まで、不安でひっそり一人で抱えてきた家族の皆さんが、このような行政の制度、認知症高齢者向けの自治体補償があれば、認知症対策の突破口になります。最初は何か事があれば、家族の自己責任と言われたのが、社会が支える形を具体化した制度です。認知症の人と家族を社会が支え、安心して暮らせるまちづくりの施策です。家族の皆さんがまちのぞんでいます」。

認知症の人にも優しい県都ふくしまへ、さらに一歩ふみ出しませんか。

次に移ります。

4、公立夜間中学の福島市への設置について

全国の夜間中学には、自主夜間中学と公立の夜間中学が2種類あります。自主夜間中学は、退職教員を中心としたボランティア講師が勉強を無料で教える場で、福島、南相馬、いわき、そして今年に入り本宮市に開校して県内4市にあります。もう一つの自治体が設置する公立中の夜間学級は全国に34校あるが、東北にはまだありませんでした。平成27(2015)年福島市議会12月定例会議で『公立夜間中学の整備と拡充を求める意見書』を可決して国に提出。それから、1年後の翌年(2016)、12月に『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』(義務教育機会確保法)が公布、施行されました。この成立を受けて、一月(ひとつき)後に福島市内で開催された『夜間中学を知る集い』(写真)で、当時の文教福祉常任委員会の委員長・副委員長をはじめ、この場にいらっしゃる9名の議員の皆さんと一緒に参加。まず、夜間中学のドキュメンタリー映画『こんばんわ』を鑑賞して、続いて当時、文科省事務次官だった前川喜平氏の『夜間中学と日本の教育の未来』の講演を聞きました。あれから、5年です。

今(こん)12月定例会議冒頭の市長提案説明において、こう述べております。

「学びの環境整備では、義務教育未了の方や外国籍の方等への多様な教育の機会確保のため、『公立夜間中学』の設置について検討してまいりましたが、令和6年度の設置を目指すことといたしました。県内各所からの希望者が通学できるよう広域的ニーズも視野に、総合教育センターでの設置を前提として、開校に向けた準備を進めてまいります。」この市長説明の時、この議場では、どよめきの声が上がりました。傍聴席では、市内で自主夜間中学を運営してきた「福島に公立夜間中学をつくる会」の代表代行の大谷一代さんが見守られていました。翌日の河北新報には福島市、夜間中学設置へ 東北初24年度目指す」の見出しと記事が載りました。そこで、質問です。

 ➀今議会冒頭の市長の提案説明で、公立夜間中学について令和6年度の設置を目指すことを明言されました。すでに、今回の市長の選挙公約において「夜間中学の開設」を掲げていましたが、開設にあたっての所見を伺います。

(当局の答弁)

②9月定例会議で同僚議員への質問に、「設置には課題が山積していると認識している」「県が主体となって設置されるべきとの基本的な考え方に変わりはありませんが、本市に設置されることは必要であります」と、当局答弁があった。今回、どのように課題を整理されたのかを伺う。

(当局の答弁)

新聞報道によると、県教委は2023年、24年の2年間で夜間中学の設置を重点的に進めていく方針を示している。開校前の1年間、パソコンなどの費用の1部を負担するほか、非常勤講師ら定数外教職員の配置支援を検討する。空き教室が確保できない場合、県の施設を貸し出すことも想定している。福島市の設置方針を踏まえ『可能な限り支援していきたい』(義務教育課)としている」とあります。もう少し詳しく知りたくて、今週の月曜日、県庁西棟3階の義務教育課を尋ねました。「夜間中学に生徒を送り出している広域的な市町村に関しても、県が間に入って広域的支援の調整をしていただける旨」話を伺うことができました。

県都であり、福島圏域の母都市として、都市機能の厚みを増す施策です。今後、開校に向けての動きを注視していきたいと思います。

次に、移ります。

5、中核市市長会において幹事市として取りまとめた「ポストコロナ時代を見据えた新たなまちづくりに関する提言」等について

全国62の中核市でつくる中核市市長会は、11月11・12日、愛媛県松山市で中核市市長会議を開きました。数日後に、市長選の告示日が迫っていた木幡市長(写真は14日朝、福島稲荷神社での必勝祈願祭)でしたが、副会長という立場で12日の記者会見まで出席という強行軍でした。この席で、副会長の木幡市長が座長となって取りまとめたのが「ポストコロナ時代を見据えた新たなまちづくりに関する提言」です。質問です。

 ➀今回の提言内容のポイントを伺います。

(当局の答弁)

今12月定例会議の市長提案説明でも、「今後も、地方分権をけん引する中核市ならではの政策提言を積極的に行ってまいります」と述べられました。そこで、質問ですが、

 ②幹事市である本市として、ポストコロナ時代を見据えた新たなまちづくりにおける様々な課題について、今後、国に対してどのような政策提言を行っていく考えなのかを伺います。

(当局の答弁)

市長は、中核市市長会の副会長職の話があった時、受けるべきかどうか考えつつ、企画調整の現場スタッフに「受けるとなると大分忙しくなるが大丈夫か」と尋ねたと聞きます。それに応えた現場の心意気、頼もしく感じました。私の質問は以上になります。ありがとうございました。