須川上流に「不動沢第3砂防堰堤」が完成して披露会が開かれました。「融雪型火山泥流」対策への意味合いも。

7月12日㈭、『信夫温泉のんびり館』のつり橋の下を流れる須川上流に、不動沢第3砂防堰堤が完成して披露会が開かれ、地元議員も御呼ばれしました。

式典では、主催者である木幡浩市長、工事にあたった国土交通省東北整備局・福島河川国道事務所の小浪尊宏所長、地元吾妻自治振の二瓶武敏会長とあいさつが続き、地元の庭塚小学校6年のSさんの作文披露、説明版の除幕式が行われました。終了後、招待された庭坂小6年生全員を交えて記念撮影。その後、堰堤の下まで降りていき参加者の記念撮影がありました。

今回、市長あいさつでは、西日本の豪雨災害が起きた直後ということもあり、吾妻山の大自然がもたらす観光や温泉などの恵みと共に、一旦、牙をむいた時の怖さとそれへの備えについて話をされました。現在、この上流には第4堰堤も建設中ということです。
小浪所長は、「堤高は14.5m、施設効果量は10万㎥で小学校のプール2000個分です。1個できれば少しだけ安心できます。地元の皆さんの協力に感謝するとともに、未来永劫、この砂防堰堤が空っぽのままであればいいのですが」とのお言葉。庭坂小6年Sさんの作文披露では、吾妻地区の安全安心が一歩高まったことへの感謝と、「サボウ」という言葉が世界共通語であり、作るのに平均10年かかることを学んだことなどを発表していただきました。

吾妻山山系砂防事業は、昭和11年から国直轄で火山砂防に取り組み、下流の福島市の住宅や観光施設、重要交通網などの保全を目的に行われています。特に、吾妻山の噴火時を想定した場合、源流が火口に近い須川への影響が懸念され、今回の砂防堰堤の建設は甚大な被害が考えられる「融雪型火山泥流」対策への意味合いが大きいと思います。今回は、須川流域初の鋼製透過型砂防堰堤(通称:鋼製スリット堰堤)として、土石流災害軽減のほか、流木災害軽減の効果も期待されます。(写真下、堰堤手前で上着を上げて手を振っているのは木幡市長。砂防ダムの大きさが比較されます。上流側より撮影。)