霧島山(新燃岳)噴火災害対策について視察
1月20日㈬、火山防災対策について、鹿児島県の霧島市役所を視察しました。
現在、噴火警戒レベル2「火口周辺規制」にある吾妻山を抱える本市において、2011年の霧島山(新燃岳)噴火を経験した霧島市の被害状況、その後の対応の中での避難計画の立案・防災訓練などについて、霧島市役所の危機管理監の德田純氏から具体的な話を伺いました。
2011年の霧島山(新燃岳)噴火では、直接の人的・物的被害はなかったものの、火口から3.2kmへの噴石の落下があり、降灰の多くは宮崎県へ。ただ、空振により窓ガラスや建具等の破損が643件発生しました。同年1月から3月までで、観光への被害は19億5千万円と試算されています。
防災計画の概要と取り組みでは、①霧島山を取り囲む5市2町で構成する「環霧島会議」の防災専門部会で「霧島火山防災マップ」を4万5千部作り霧島山近隣世帯に配布(平成21年9月)。
②噴石の飛散を想定し、火口から5km圏内の住民の避難計画を作成(避難者・誘導責任者・情報手段・避難場所・経路・所要時間等を具体化。平成23年3月)。
③避難壕については、平成25~26年にかけて、3.5km圏内には火山岩塊対応のものを2か所(市単独事業)、圏外の登山道に1か所(県補助2分の1)を整備しました(写真)。
④可聴範囲が半径約2.5kmのモーターサイレン5台、屋外拡声子局2か所と防災行政無線個別受信機を計36台貸与。平成24年4月から運用を開始しました。
⑤噴火に備えた防災訓練については、平成23年度以降、平均年1回、情報伝達訓練または住民等避難訓練を実施しています。
また、自主防災組織については、組織率は高いが、各組織により活動が活発なところと低調な組織の差が大きく、促進の方策を検討中です。防災出前講座による啓発や、鹿児島県実施の地域防災推進委員養成講座への参加を呼びかけ、防災リーダーの養成を図っています。
今回は、新燃岳の爆発的なマグマ噴火での噴石の飛散、空振による被害状況を学びました。霧島市同様、本市においても自主防災組織の活動の活発化は課題です。また、避難壕の整備、モーターサイレン等の情報伝達手段の整備については、本市において予想される火口から500m範囲における検討を考えなければと思いました。