福島大学の農学部系新学部誘致に向けた「講演会・座談会」に参加

DSCF96285月7日㈯、地元の福島大学が平成30年春に開設を目指す「農学系人材養成組織(学部)」について、福島市への誘致を目指す期成同盟会(会長・福島市長)主催の講演会・座談会に参加してきました。この日は、駅西口のコラッセふくしまに、関係者約90名が集まりました。

小山良太福大教授がこの間の取り組みを紹介。小泉武夫東京農業大名誉教授(小野町出身)は発酵農産加工について研究成果を紹介。杉浦宣彦中央大教授が「新たな農産物流通の仕組み」について語る中で、新しく作る農学系学部に対して3人3様に思いを述べました。

小泉教授は、「福島が全国3位の農業県。学生が来て面白い、ユニークな大学と思ってもらえるような、実学を進める大学作りをすべき。今、産業界は30兆円市場とも言われる空前の発酵ブームで教える人が不足。福大に発酵学部ができたら全面的に協力します」と明言。杉浦教授も、新しい農学部のポイントは“実学”と述べました。小山教授は、1学年100名前後の農学系学部になる予定で、研究内容を具体的に絞り込んだ「問題解決プロジェクト型教育」を考えていることを紹介。県の農業短大とのすみ分けにも言及。また、「大学には金がない。会場にいらっしゃるみなさんの協力が必要です。お金の方も協力を!」と訴える場面もありました。

総括すると、地元目線では福島の実情に即した人材育成のための農学系学部の要望であり、小泉教授流に考えれば、視野を広げて国内外で必要とされる農学系人材育成のすき間を狙うことも必要な戦略であり、大学自身からすると文科省を説得できつつも経営が成り立つような、全国からも学生が集まる魅力的でユニークな研究内容・講師陣を必要と考えているのだと思います。今回の企画は、関係各団体・関係者と大学との、現時点における合意形成の場となりました。期成同盟会、農業関係団体、県議会議員、市議会議員が顔をそろえた中で、大分、現実的な絞り込みがされた感じです。

(本日、5月12日付民報新聞に載った記事「福大農学系研究組織設置準備室の人事発表」に載った顔ぶれと、上記後援会の3名の話との距離感を感じて、改めて農政振興室に尋ねました。今回の企画の3名の人選はあくまで農政振興室で行いましたとのこと。そうなると、上記の“合意形成”うんぬんは見当はずれで、今後は設置準備室の動き、とりわけ青柳準備室長の発言に注視していきたいと思います。)