施設建設を伴った、高崎市の中核市移行の場合‥‥会派視察③

DSCF7560高崎市の場合、平成18年の二度の合併により人口が34万人を越え、“それまでの中核市の要件”を満たし、同年12月に庁内組織として中核市検討委員会を設置。翌19年10月に、市長が中核市移行を目指すことを表明しました。

翌20年4月に、地域振興部に「中核市推進室」、保健福祉部に「保健所準備室」を設置。この年から、①県派遣研修の開始、②中核市移行推進委員会と設置・移行までの継続的な開催(12回)、③高崎市保健所(仮称)設置懇話会と設置・移行まで継続的な開催(7回)、④中核市移行県・市連絡会議を設置・移行まで継続的な開催(3回)などを重ねて、平成23年4月に中核市移行を成し遂げました。

「当初、移行を記念し、市政だよりに4ページの特集を組む予定でしたが、3月に発生した東日本大震災により記事が差し替えになり、静かな移行になりました」とは、説明いただいた、当時の担当者の方の感想です。

中核市移行のメリットは、行政サービスの向上・地域保健衛生の推進・景観や環境に配慮した独自のまちづくりの推進・市全体の活性化・地方分権の推進など上げていただきました。具体的な話の中で、市と民間ボランティアの協力で動物の殺処分頭数が大幅に圧縮されたことや、産廃処分の話がスピードアップしたことなどが印象に残りました。

平成17年から整備を進めてきた「高崎市総合保健センター」は、「高崎市立中央図書館」との複合施設として、平成23年4月に中核市移行と歩調を合わせて開館しました。予算規模は、土地が14億円、建物が約85億5千万円、備品等3億円、図書館が6億円ほどで、合併特例債66億円などで対応されたとのことです。1階から4階までが総合保健センターで、保健所をはじめ健康検診センター、夜間休日急病診療所など医療と健康に関する機能が一体的に整備されています。職員総数は約150名でその内新たに必要になったのは105名、医師・獣医師・薬剤師などの専門職は県から派遣していただき、平成23年には13名だった数が26年には7名になっているといいます。

視察当日は4階にある保健所を案内していただきました。特に印象に残ったのは、高崎市保健所(仮称)設置懇話会で出された意見により、プライバシーに配慮した相談室や専門職員の配置などの相談体制が充実されている点でした(写真はパンフレットから)。