2022年12月定例会議の一般質問の読み原稿です。

「 議長、25番。」

真結(まゆ)の会の、二階堂武文です。会派の一員として質問をします。

先月27日、ふくしん夢の音楽堂での第1回福島市古関裕而作曲コンクール本選会に行ってきました。初めに、木幡市長の挨拶がありました。「(初めに古関裕而氏に関するこの間の取組みを挙げた後で)、一番難しいのは音楽コンクールでした。本当に感無量であります。この街が音楽であふれる。何よりもうれしかったのは、このコンクールが日本中に知れ渡ったことです。応募124曲の中から厳選した8曲、皆様の耳に、心に飛び込んでくるか大変楽しみです」と。

私自身もこの場に立ち合いたい強い思いで、チケットを手にしました。2年前の経済民生常任委員会の所管事務調査で、「古関裕而氏を活かしたにぎわいの創出に関する調査」を行いました。参考人招致では三浦尚之氏の話を伺い、そのビジョンと情熱に共感しました。そして、委員の皆さんと練り上げた3つの提言を、本市に行いました。その一つが、「音楽文化の継承と音楽による人材育成、まちづくりについて」であり、「古関氏の名を冠した作曲や編曲等のコンクールを創設し、市内外の音楽家に幅広く参加していただくことで、本市ゆかりの音楽家として成功するきっかけをつくり、人材の育成につなげて行くべきである」と提言しました。

さて、1.福島市文化振興条例について、です。

今ほどの所管事務事務の現地調査で、浜松市を伺いました。浜松市では、昭和 56 年から音楽によるまちづくりに取り組み、40 年近く継続することで、市民に音楽文化が根付き、音楽のまちを支える人材が数多く育ち、都市ブランドを形成するまでに至っております。話を伺い、ポイントと思われたのが、音楽によるまちづくりの方向性、将来像を示した「文化振興ビジョン」を基にまちづくりに取り組むことで、行政と市民、企業等が共通の目標に向かって進んでいることでした。

福島に戻って調べてみると、福島にはないことに気づかされました。市民みんなの共通の向かうべき目標がきちんと明示されていない、それぞれのやる気、ベクトルの向きがずれることでパワーロスが発生し、もったいなさを感じました。そこで、先ほどの「音楽文化の継承と音楽による人材育成、まちづくりについて」の3番目に、「音楽によるまちづくりの浸透には継続的な取組が必要なことから、短期的な施策に加えて音楽文化の振興を図る長期的なビジョンを持ち、行政と市民、団体等が協働で目指す、まちづくりの方向性を示すべきである」ことを提言しました(写真協力 / 文化スポーツ振興室)。

あれから2年です。今年8月19日に、「福島市文化振興条例(素案)」が市民に示されました。そこで、

(1)パブリック・コメントについて、です。

パブリック・コメント制度は、基本的施策等に関する条例や計画等を策定する際に市民の方からご意見をいただいているものです。今回は8月19日から9月20日までの募集期間でした。応募状況や内容は、市民の関心の度合い、待望感を示すものです。質問です。

➀パブリック・コメントに表れた市民の本条例への期待感について伺う。

(当局の答弁)

前文について一言触れます。当局からいただいた「パブリック・コメントの結果について〈資料1〉」では、前文の主な意見の概要では「前文が長すぎるのでもっと簡潔にした上で、文化芸術の役割や重要性を盛り込むべきである。(10件)」があり、これに対する当局の「考え方」として、「文化振興条例検討委員会のご意見により、地勢や成り立ち、時代背景などの文化を構成する要素のほか、特色ある文化などを具体的にかつ丁寧に記載することで、本市らしさを伝える、想いがこもった内容としました」とあります。確かに、本市の文化の最前線、現場にいらっしゃる方には「ポイントを絞り込んだメリハリの利いたものを求める」気持ちが強いかもしれません。一方、幅広い市民の方向けの分かり易さも大切です。

そこで、質問です。

➁パブリック・コメントで意見が集中した「前文」に、この条例制定の先ほどの「時代背景」や「本市らしさを伝える想い」を込めるとすれば、第1回古関裕而作曲コンクール開催の年に成立するこの条例に、これを刻むことは大切と思うが見解を伺う。

(当局の答弁)

次に、(2)今後の計画策定について

➀文化芸術基本法では、「地方の実情に即した文化芸術の推進に関する計画を定めるよう努める」とあるが、条例制定の背景を踏まえて今後どのように計画策定を行うのか、スケジュールを含めて伺う。

(当局の答弁)

次に、(3)福島市文化振興基金への一本化について

➀今回の福島市文化施設整備基金条例と福島市古関裕而音楽賞基金条例を廃止することにより、新たに福島市文化振興基金を設置して一本化を図るメリットを伺う。

(当局の答弁)

次に、2.磐梯吾妻スカイライン・ヒルクライム大会の来年度以降の継続開催について、です。

今年5月28・29日の土曜・日曜日、第2回目となる磐梯吾妻スカイライン・ヒルクライム大会が開催されました。県内外の選手や自転車愛好家など325名が出場して、雄大な自然が広がる磐梯吾妻スカイラインを疾走しました。初日は、高湯温泉の花月ハイランドホテル前をスタートして、浄土平にゴールする14キロ、高低差800メートルのコースです。2日目は土湯温泉町をスタートして、浄土平にゴールする32キロ、高低差約1,100メートルのコースで、アスリートクラス他、男子の年代別、女子、コスプレの8部門で競いました。主催は、前回に続いて、福島県・土湯温泉観光協会・高湯温泉観光協会でした。聞く所によると、当初から、福島県のかかわりは今年までとのことでした。

この件に関して、今年7月6日開催の土湯温泉町地区自治振興協議会で、協議テーマとして議論されました。

土湯温泉観光協会の加藤会長からは、「これまでの実績を活かしつつ、福島県より本市が『主催者』として本件事業を引き継ぎ、高湯温泉、土湯温泉とともに『共催体制を整備』して、令和5年度以降も本イベントの開催を継続し、名実ともに福島市を代表する観光誘致イベント、スポーツコミッション事業として発展させていく」件の説明がありました。

そこで質問です。

➀令和4年度の土湯温泉町地区の自治振興協議会で出た協議事項についての市の見解について伺う。

(当局の答弁)

次に、➁今後の協議の進め方について伺う。

(当局の答弁)

この件は、今年度の吾妻地区自治振興協議会、後半の「市長との意見交換」において、高湯温泉観光協会の遠藤淳一会長からも出されております。来年の第3回の磐梯吾妻スカイライン・ヒルクライム大会が、市民共創の事業として成功裡に実施されて、今後、着実に根づいていくことを祈念して次の質問に移ります。

3.来年5月の運転開始を目指している吾妻高原風力発電所について、です。

10月19日、庭坂地区町内会連合会主催の吾妻高原風力発電所の現場見学会に参加してきました。紅葉も「今が盛り」で、秋晴れの中、会員のクルマ2台に10名が分乗して集合場所の高湯のスカイランドへ向かいました。

振り返りますと、昨年11月下旬から今年3月にかけて、庭坂地区町内会連合会と事業者との吾妻高原風力発電所に係る協定締結に向けた連合会の会長会または総会が4回開催されて、地域の合意形成に向けた協議が続けられました。その後、5月から11月までの約半年近くは、町庭坂地域において、特に富山地区では、ブレード(羽根)や4分割されたタワー(写真)などを搬入する大型特殊車両が、朝4時からエンジ音を響かせて、時速2キロで地区内の市道を通過。事前に説明会等が開かれて、詳細な情報はいただいていたものの、町内会長さんはじめ住民のみなさんには大変なご苦労をおかけし、ご協力いただきました。苦労が続いた分、風車が徐々に組み立てられていく中で、「いよいよ」といった期待感が出てきました。

さて、見学会のこの日は、スカイランド駐車場で、事業者の吾妻高原ウィンドファームと施行業者の戸田建設(株)東北支店の方と合流して、まずはスカイランドから少し下った全景が見渡すことができる地点に車を止め、全体概要の説明をいただきました。

次に、組み立てが終わった8号基、9号基の近くまでクルマで移動。タワーの内部に入り、見学しました。二人乗り作業用入れベータ―、ハシゴ、送電ケーブル、各種機器が設置されていました。ブレード(羽)の最先端までは、高さが136.5メートルです。

今回の計画では全部で9基建設し、年間発電量は3万2,400キロワット、1万5,300世帯分に相当し、吾妻地区9,800世帯の1.5倍分になります。

見学会では、発電量に「お~っと」驚きの声が上がりました。福島市の全世帯数、約12万2千世帯で考えると、12.5%です。

現在、風車の輸送と組み立ては終了し、試運転調整と同時に変電所の工事を進めている段階です。運転開始は5月1日からで、事業期間は20年間の予定と説明いただきました。

ここで質問です。

➀これまでの経緯について、現況を含めて伺う

(当局の答弁)

今回、見学会に参加した庭坂地区町内会連合会の町内会長からは、高湯温泉から風力発電所、李平、庭坂と周遊するドライブコースとしてはどうかや、最初に説明を受けたスカイランドから少し下った全景が見渡すことができる地点に駐車スペースを確保してはどうかなど提案がありました。そこで質問ですが、

➁今後、2019年度より休止している家族旅行村吾妻高原スカイランドの施設と吾妻高原風力発電所とを関連付けて、観光資源として活用すべきだが見解を伺う。

(当局の答弁)

今回の吾妻高原ウィンドファームは、地元のふくしま未来研究会と信夫山福島電力株式会社と、再生可能エネルギー大手のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)により共同設立された合同会社です。地域での協議においては、信頼できる地元資本が関わっていることが助けとなりました。なお、このJREは、今年1月下旬には、米金融大手ゴールドマン・サックスとシンガポール政府投資公社から石油元売り大手のエネオスが買収しました。

次に、4.福島市子育て定住支援賃貸住宅ついて、です。

東日本大震災、その後の東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う、市外への避難をしている子育て世代の帰還及び定住を促進し、本市の復興及び地域の活性化に寄与するために、平成26年(2014年)に市内では比較的に放射線量が低かった本市西部地域のJR庭坂駅北側に町庭坂第一団地10戸と、駅南側に町庭坂第2団地10戸が国の支援の下に建設されました。

質問です。

➀現在の利用状況について伺う。

(当局の答弁)

ここで、町庭坂在住の方から、手紙を見せていただきました。紹介します。

「娘母子が児童福祉行政の支援を受け、(愛知県から)福島に移住しました。転居先としては、私夫婦が保護者として、孫たちに寄り添い、物心両面において支えとなり、全面的に支援する必要がありますことから、町庭坂地区が最適と判断しました。転居にあたり、暫定的な対応として、私の住宅で同居しておりましたが、私の住居は建築床面積が狭く、成長期にある孫たちとの同居を継続できる間取りではありません。(中略)

1年余りの同居生活を経て、孫たちが抱えていた『非常に重く、辛い思い』、『不安・心配』は緩和されたように思います。今後は、孫たちが新たな精神的ストレスを抱えて悩み苦しむことのないよう、あたたかな家庭を再構築できる場所に、住居を求めなければならないと考えております。

吾妻中学校、庭坂小学校の放課後、自宅の近い私の家まで歩いて下校し、私の家に立ち寄り、心の安息を得られるようにしてあげることが、安全で穏やかな生活を維持するための最低必須条件です。(中略)

浜通りの町では、災害公営住宅の運用に関して、空き住戸が発生していることへの対応や移住者を受け入れるべく、災害公営住宅の入居者を避難者に限定することなく、『入居対象の拡大』という運用を始めております。(中略)

私は、国をあげての少子化対策が声高に叫ばれている中、少しでも理にかなった市政運営をお願いしたいと思います。」というものです。

そこで、質問です。

➁多くの空き部屋に対して、子育て中の周辺住民の方からの入居の希望がある。今後、県や国とも入居資格の見直しについて相談すべきと思うが見解を伺う。

(当局の答弁)

次の質問です。

5.吾妻五葉松の自生地・福島で育まれてきた盆栽文化について

➀「観光共創戦略」には、「インバウンド誘致に向けた本市が誇る観光資源の一つとして磨き上げ、関心を持つ海外の人々に情報発信し、世界から選ばれる魅力ある観光地を目指します」とあるが、吾妻五葉松の自生地・福島で育まれてきた盆栽文化についての所見を伺う。

(当局の答弁)

この間、福島市観光コンベンション協会主催で、ぼんさいや「あべ」3代目の阿部大樹が講師を務めた盆栽教室や盆栽合宿、盆栽の展示と合わせたデモンストレーションは大きな反響を呼びました。私も訪れた2018年と2019年のコラッセの3階の企画展示室では立ち見の方も現れ、90分間の盆栽の粗造りのデモンストレーションは立ちっぱなしでも引き込まれるほどの迫力でした。

2019年3月29・30日のコラッセでの企画の1週間前には、父親で2代目の阿部健一さんと大樹さん親子は、ユニオン・ボンサイ・イタリア(UBI)に招待されて全国大会が開催されたイタリアのフィレンツェの展示会にいました。師匠の阿部健一さんは、ここでの盆栽展の審査委員を頼まれていました。

会場には、ローマから電車で5時間かけてやってきたというボンサイ愛好家もいました。参加者からは、「阿部先生のお父さん(故阿部倉吉氏)の本をみんなで読んでいます。サインをお願いします」と話しかけられたり、ボンサイ歴が4,50年の方もいたりして、イタリアでのボンサイ文化の広がりを感じたそうです。イタリア滞在は2週間ほどになり、国内3か所を巡り、ワークショップや展示会でのデモンストレーションをこなしての帰国でした。そして、疲れを取る間もなく、今回のコラッセでの企画となったわけです。3世代にわたり続く海外交流の蓄積は、福島のインバウンド事業の財産の一つになっています。

さて、質問です。

➁福島市観光コンベンション協会における吾妻五葉松の盆栽文化を巡るこの間の事業展開について、参加者数を含めて本市が把握している状況を伺う。

(当局の答弁)

〈再質問〉それぞれの参加費が分かれば、お願いします。

(当局の答弁)

中でも、2018年9月から約1年間、11回にわたるAOZ(アオーゼ)での『盆栽のはじめ方」教室(会員19名)、2020年の福島ふっこう割り適用の「盆栽合宿in飯坂温泉2日間」の講師を務めた阿部大樹がとらえた参加者像は、「ほとんどが働き盛りの30代、40代の方で福島市以外から足を運んでいただいた方もいる」とのことです。

今後の継続的な取り組みを考える上で、講師側での自主開催も大切ですが、その場合のポイントは抑えた参加費と、メインの対象となる働き盛りの方が家族を考えて時間を取りやすい平日夜間の会場探しとなります。阿部さんが考えているプランは、1回10名前後でしっかりしたテーブル、水が使える部屋で、今までで言えばAOZみたいなところがベストだそうです。勤め帰り、職場から直行していただき3時間前後の教室、その後の後かたづけを考えると23時前後までかかりそうとのことです。

そこで、質問です。

➂今後の継続的な取り組みを考える上で、主催者側では希望する平日夜間の会場確保が悩みと聞くが、見解を伺う。

(当局の答弁)

最後になりますが、

6.福島市観光コンベンション協会との本市との連携等について、です。

平成30年11月、仙台・福島・山形市議会広域観光連携推進協議会が福島市のエルティで開催され、講演いただいたのが、この年5月から福島市観光コンベンション協会の事務局長に就任されたばかりの吉田秀政氏でした。レジメの最終ページには、「7月上旬、菱沼農園さまの『朝穫れあかつき』を携えて、岸田政調会長と面会。広島で培った人脈をフル活用!」とありました。あれから5年間、木幡市政との連携の下、確実に成長のエンジンとなり福島市を進化させてきました。

➀観光コンベンション協会が観光地域づくり法人(地域DMO)に 新規登録された2021年3月以降の主だった共創の成果について伺う。

(当局の答弁)

➁今後の戦略の中で、「集客実績として春観光が強い反面、冬観光が弱い」点についてどのように考えていくのか伺う。

(当局の答弁)

〈再質問〉 只今の答弁に対して、再質問です。只今の「ちょうどいい旅、ふくしまステイ」デジタルスタンプラリーですが、今月31日まで開催中の「ちょうどいい旅、ふくしまステイ」シールラリーとの関連性についてお伺いします。

(当局の答弁)

今年5月12日に開かれた市議会全員協議会で、令和8年にグランドオープンする福島駅東口地区第1種市街地再開発事業と福島駅前・集客拠点施設整備の全体概要の説明をいただきました。MICEという言葉が、企業等の研修、学術会議や国際会議、展示会やイベントなど、ビジネスイベントの総称であることを知りました。

質問です。

➂福島駅東口地区市街地再開発事業に合わせMICE誘致の能力向上が必要と考えるが、見解を伺う。

(当局の答弁)

先の市議会全員協議会で、最後に施設の管理運営と新たな推進体制として、「3本の矢」で示されました。第2の矢における地域DMO福島コンベンション協会を中心とした推進体制の充実、第3の矢にある「資源の磨き上げによる、魅力あるコンテンツを作る」に関連して地元の吾妻五葉松の盆栽文化について質問させていただきました。ありがとうございました。