李平宿周辺史跡の保存活動のスタートとなる本格的な調査に向けた粗々の予備調査に同行させていただきました。

7月11日は郷土史関係の現地調査に同行させていただきました。車での移動中は雨が心配でしたが、現地、李平ではカッパを着なくても大丈夫で助かりました。

今回は、今後の史跡の保存活動のスタートとなる、本格的な調査に向けた粗々の予備調査といった位置づけでした。

呼び掛けたのは、先ごろ県北地方の歴史や文化を研究する「信達歴史文化研究会」を立ち上げたメンバーの一人、県史学会会員・守谷早苗氏です。

参集されたのは、県文化振興財団調査部・有志のみなさん、二ツ小屋隧道保存会・事務局の高橋一夫氏など。案内側として、李平の旧米沢街道の刈り払いなどの保存活動にかかわってきた吾妻地区郷土史談会・顧問の阿部美作氏、会長の近野元洋氏、事務局の鈴木康郎氏、地元の菅原宏一氏が参加され、総勢12名での現地調査でした。

今回は、吾妻高原ウィンドファームによる風力発電事業の工事の関係で旧米沢街道から行くことができずに、高湯経由ということで所要時間はいつもの2倍くらいかかりました。クルマの中では多少のくたびれを感じつつも、現地につくと、皆さん、本番モードで調査の真剣さが伝わってきました。史跡保存に向けた熱い使命感をお持ちの方ばかりです。

李平宿跡では、植林された杉が大きく育ち、うっそうたる茂みの中に宿場家屋の跡や泉安寺跡、用水堀跡などが残されていますが、草に隠れて場所を確認するのに一苦労です。史談会のみなさんの説明を聞きながら、時々、雨しずくも落ちてくる中で、県文化振興財団調査部・有志のみなさんがメジャーで測り、メモを取り、次の調査のための目印の赤いビニールテープのリボンを地面に打ち付けました。

中でも、説明の先頭に立たれたのは、ご高齢の阿部美作顧問でした。右手に草刈り鎌、左手にはストックを持ち、泥で滑りながらも渾身の説明に、傍で聞いていて感動しました。史跡保存に向けたバトンを託そうとするその思いが直に伝わる、その現場に立ち合うことができたことに感謝しました。

私に出来たことは、林を出た後で、美作先生のズボンの尻の泥をテッシュで拭かさせていただくことでした‥‥。

その後、石畳保存地を歩きました。6月の吾妻地区郷土史談会のみなさんの刈り払い保存活動によりきれいになっていましたが、この間の雨で所々、土砂が流されていました。特に、石畳を下った合流地点に設置されていたコンクリート橋、平成31年に松川の第4堰堤工事のため造られたものの片側の土砂がえぐられて、橋自体もひび割れて危険な状態にあったのには驚かされました。国土交通省福島河川事務所のみなさんに力をお借りしたいと思います。

14日、李平の予備調査でいろいろ話をお伺いできた二ツ小屋隧道保存会の事務局の高橋氏からお電話をいただきました。「建設省福島河川国道事務所にお尋ねしたら、今回の予備調査で見つけた石畳の先のコンクリート橋周辺の土砂流出について、河川国道事務所ではすでに現地を確認していて年度内には復旧工事を行う予定になっているとのことでした。史談会の鈴木さんにもお伝えください」とのことでした。人の繋がりって凄いですね。守りたいもの、共通の価値意識を共有できるからこその連係プレイです。