2月13日、会派の行政視察で、岐阜市を訪れて「ぎふメディアコスモス」の取り組みについて調査をしました。


岐阜市の中心市街地、岐阜大学医学部等跡地に平成27年7月に開館した『みんなの森 ぎふメディアコスモス』(写真・模型手前の建物)は、➀知の拠点の役割を担う市立中央図書館「フムフムエリア」(2F)、②絆の拠点となる市民活動交流センターと多文化交流プラザ「ワイワイエリア」(1F)、③文化の拠点となる展示ギャラリー・ホール(230席)・オープンテラス「ドキドキエリア」(2F)からなる2階建ての複合施設です。

中でも、注目は中央図書館でした。図書館の3つの合言葉は、➀「ここにいることが気持ちいい」②「ずっとここにいたくなる」③「何度でもきてみたくなる」で、利用者にそう言われるような図書館になりたいと思っているとのことです。

平成30年度実績は、年間来館者数は旧図書館時代の年間15万人から8倍強の約126万人に、図書館新規登録者数の約33倍、貸出利用者の年齢層も40歳以下の割合が約30%から47%となり親子連れや中高生の利用が増えています。図書館像として掲げているのは、課題解決型図書館、滞在型図書館、ネットワークの中核図書館、市民とともに育てる図書館です。案内パンフには、「みんなで創るためのプロセスデザインを大切に歩んでいきます」とあり、こういった願い、思いが感じ取れる、未来への可能性を感じ取れる館内となっています。

施設の設計は資質評価型プロポーザル方式で選定された、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー建築賞受賞した建築家・伊東豊雄氏で、通常の建築物にはないエネルギーを感じさせます。特徴的なのは、県産ヒノキ材を使った木製格子屋根と天井にぶら下がる11個の大きな漏斗状の布製の電気傘「グローブ」です。県産の東濃ヒノキの良い香りはリラックス効果があり、一つ一つデザインが異なり日の光で美しい透かし柄が浮き上がるグローブもメルヘンを奏でます。「大きな家と小さな家」という考え方生まれた木製屋根とグローブが、ワクワク感とにぎやかさを生み出しています。

説明いただいた担当の方に、「課題は?」と伺うと、「中心市街地から距離があるので中心部の賑わいと結びつけること。採算性はなかなか難しいです」。前市長が「教育立市」を掲げて、スタッフは警備以外は直接市職員とのこと。施設南側には、新市役所庁舎(写真・模型奥の高層建築物)を建設中で完成すると相乗効果が期待されるということでした。