神奈川県大和市の『文化創造拠点シリウス』は、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場を中心とした文化複合施設です。

2月14日、会派の視察で訪れた神奈川県大和市の『文化創造拠点シリウス』は、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場を中心とした文化複合施設で、大和駅から徒歩3分というアクセス抜群の立地です(全景写真はパンフレット)。
平成28年11月に誕生して、1年後には累計来館者数300万人を達成、2年後には累計613万人、そして今年1月21日には来館者数1000万人を達成しています。
最初に、シリウスの行政側窓口の図書・学び交流課の中丸信孝課長のあいさつ、続いて説明の後、館内を案内いただきました。

1階は「感動が生まれる感性と創造の場」で、舞台が広く様々な演目に対応でき、90%近い稼働率という客席1007席のメインホール(写真2)と、座席が可動式の272席のサブホールを中心に、新刊や雑誌をそろえた図書コーナー・授乳室の他、スターバックスやコミュニティ放送スタジオ等が入居。
2階は「楽しく語り合う市民交流のフロアで、利用が多いという有料の市民交流ラウンジ85席、社会問題に関する幅広い資料をそろえた図書館、コインロッカー、市の行政窓口や観光協会が入居。
3階は「思い切り遊んで学ぶ大和こどもの国」で、ちびっ子広場やこども図書館、相談室、こどもの駅などに加えて、有料のげんきっこ広場や保育室があり、人気の3つのスタジオでは楽器やコーラスの練習で予約が埋まっていました。
4階は「くつろぎながら本に親しむ健康都市図書館」で、健康コーナーや健康テラス(写真5)、健康度見える化コーナーのほか、いろいろな閲覧室があります。
5階は「調べて学ぶ図書館」で、77席の読書室を持つ図書館ですが、一角に地域資料コーナーとして歴史資料館の収蔵品の一部が展示されています。
6階は「仲間と集い学ぶ生涯学習センターで、“居場所”というコンセプトで生み出された交流スペースです。予約なしで自由に使える市民交流スペースや防音設備を完備した講習室(定員145名)、調理実習室などが配置されています。
駐車場や駐輪場は地下になります。

シリウスの行政側窓口の図書・学び交流課の中丸信孝課長からは、「平成21年に『健康都市 やまと』を宣言し、さまざまな事業は健康を基軸に行っていること、開館3年2か月で累計1000万人の来場をいただいていること、市が95%の大株主となり95%の床を取得して再開発の着手。運営主体は、指定管理者やまとみらいで㈱図書館流通センター、㈱小学館集英社プロダクション、など民間6社からなっていること。イベント・プロモーターの対応窓口は館長が行っていること」などを聴取できました。

今回の視察では、各階のフロア・コンセプトが明快で、市民の意識調査やマーケット調査もかみ合い、有料スペースの稼働状況が良いことを調査できました。
さらに、『文化創造拠点シリウス』の開館に合わせての準備段階で、2年かけて市の図書館蔵書のICタグ管理に取り組み、貸出は各階にある自動貸し出し機(全部で11台・写真3、説明は來嶋館長)で対応、予約本の受け取りもカウンターを通さずプライバシーに配慮、返却も自動返却機での対応もでき省力化を図っています。
このICタグ化により、丸ごと全館が図書館となり、館内どこへ持ち出して本を読んでもよく、飲み物も自由で、当初、意図していた「ゆるいルールの図書館」が実現できたこと。また、無断持ち出しも減り、年1回の棚卸もスピード感をもってできるようになったという成果は参考にしたいと思います。