高湯にある福島市社会教育館『こぶし荘』が今年3月末に閉鎖。ギリギリ直前でしたが、同僚議員と伺ってきました。

以前から同僚議員に「一緒に行きませんか」と声をかけていただいた計画でしたが、それぞれの日程が合わず延び延びになっていました。ギリギリ3月29日㈮、高湯にある福島市社会教育館『こぶし荘』にお伺いしてきました。

こぶし荘は3月末で廃止となることが、昨年の12月定例会議で議決されていました。この経緯につきましては、12月定例会議での山田教育部長の答弁でご紹介します。

「福島市社会教育館こぶし荘は、青少年等の宿泊研修施設としてご利用をいただいておりましたが、施設の老朽化が進行し、施設利用を継続するには今後多額の改修費用が見込まれる状況にあります。また、平成18年度から指定管理者制度を導入し、民間の経営のノウハウを活用し、新たな利用者の拡大を図ってまいりましたが、年間利用団体は延べで100団体、利用者数は3,000人前後で推移しておりまして、施設改修を行っても利用者の大幅な増加は期待できないと判断したところでございます。さらに、同様の施設として立子山自然の家があることから、昨年より関係者の皆様と協議を行い、今年度末で廃止の判断としたところでございます」

昨年は、地元の高湯地区での説明会や吾妻地区での説明会が重ねられ、12月定例会議でも文教福祉常任委員会で審査が行われて、本会議で廃止条例が採決されたわけです。

この29日は閉館まで残すところ3日間となり、館長の中澤昭宣さんご夫妻(写真上)に積もる話を伺いましたが、同僚議員の話からはお二人の今後への気配りが感じられました。と同時に、今後、お二人の持っている高湯の魅力を引き出してきた経験、ソフト部分の活かし方が何かないものかを探る目的もありました。

生憎ノドの調子が悪くて声が出しにくいというご主人に代わり、福島県森の案内人をしている奥様にお話しいただきました。まず、この場所が雪遊びをできる市内唯一のところであること。施設利用者の方が自然の中で、スノーシューを履いての雪遊びや星空観測などで楽しんだ様子。硫化水素ガス濃度が濃い、高湯ならではの施設の維持管理面でのご苦労など。そして、閉館が決まってからの利用者の皆さんからいただいた感謝の品々も見せていただきました。

途中から、訪ねてきた福島市山岳遭難救助隊副代表の高橋博司さんが、話に参加されました。

最後に、館内を案内していただきました。トイレも風呂場も調理室も部屋もきれいに掃除が行き届いていました。

体育館(写真左)では、高橋さんから毎年の冬山合同救助訓練の折に、機動隊や自衛隊、福島市山岳救助隊など総勢70名ほどで、寝袋で雑魚寝していた話を伺いました。

今回の施設廃止にあたり、担当所管から問題点の数々を学習センターや市役所会議室で説明いただきましが、かかわっている皆さんが全員で冬の山道を登ってこぶし荘に足を運び、館長夫妻に現場で問題個所もまだまだ使えそうなところも話を伺い、自分の目で確認し、それぞれの人生体験等に基づいて議論して総合的に判断したならば、同じ結論に至るにしても多くの利用者や関係者のことを考えた丁寧な議論になったのではと思いました。

今後も人口減少・税収減と公共施設の老朽化の中で、公共的施設の集約化は加速してくると思われますが、データだけの机上の議論に陥らないよう「現場での関係者の意見聴取」を中心に据えて議論すべきことを再確認いたしました。