特別委員会視察で長野冬季五輪の反省と教訓、今後の「2020年」への対応について長野市役所で当時のエピソードを交えて聴取しました。

4月25日㈬、福島市議会の「東京2020オリンピック・パラリンピック調査特別委員会」の行政視察で、長野市役所を訪れました。

1998年、長野市では第18回オリンピック冬季競技大会が開催され、当時のサマランチIOC会長から「冬季五輪で史上最高の組織運営により、これまでで最高の大会であった」と高い評価を得ました。
中でも、延べ3万人を超えるボランティアが会場設営や駐車場整理などで大会を支え、翌年の長野五輪記念マラソンでの再活躍やスペシャルオリンピックス日本・長野を設立し、知的障害のある方々にトレーニングプログラムと競技の場を提供するなどボランティア文化として継承し、東日本大震災においても被災地への支援物資の提供活動にもつながっています。

今回の視察の前半は、「第18回オリンピック冬季競技大会・長野市報告書」に基づき、当時、㈶長野オリンピック冬季大会組織委員会(NAOC)に派遣職員としてかかわった方から、エピソードも含めて説明いただきました。特に、福島市が関わることとなる「長野オリンピック・パラリンピック消防対策本部」の具体的な体制や動き、交通対策、ごみ及びし尿対策について資料を基に当時を振り返っていただきました。「オリンピックの評価は輸送がカギ」という言葉が印象に残り、警察の協力や企業の時差出勤、パーク&ライド方式の活用、インフラ整備などについて伺いました。オリンピック関連のごみ処理については、「事業ゴミ」と捉え、先ほどのNAOCが責任をもって処理をしたとのことです。

視察後半は、市国際交流室の方から、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けての交流計画について伺いました。長野発祥の「一校一国運動」の財産を生かした国を相手国として、検討を進めてきたそうです。長野オリンピック冬季大会で整備された競技施設を事前合宿に利用してもらうべく水泳とサッカーでDMを発送。デンマークの競泳選手に関して、2018年から2021年まで東京オリンピックを含む4大会の事前合宿受け入れにつながったといいます。20~30人規模で2~3レーンを利用する予定で、隣で学生が練習しているとかということも出てきそうです。ホストタウンについては、長野県・他5市町と共に中華人民共和国との交流実施計画を説明いただきました。(写真下は、長野駅構内に掲げられていた「今も残るオリンピックの熱き記憶 メモリアルNAGANO 1998」)