スポーツ合宿の誘致と連携した温泉地の観光振興の取り組みについて、石川県の七尾市を視察しました。

福島市議会・東京2020オリンピック・パラリンピック調査特別委員会の行政視察3日目。4月26日㈭は、石川県七尾市の「七尾市和倉温泉運動公園テニスコート」管理棟2階の会議室で、スポーツ合宿の誘致と連携した温泉地の観光振興の取り組みについて観光交流課スタッフの方から話を伺いました。

平成16年の市町村合併に伴い、市域に体育施設が複数存在することとなり、さらに市内和倉温泉の一部旅館がスポーツ合宿の受け入れを開始したことなどをきっかけとして、体育施設や文化施設の利用と和倉温泉の宿泊施設を一体化して取り組み、各団体の合宿や大会等の宿泊費の一部を七尾市が助成することで、地域活性化につなげています。

新たな施設の整備にも力を入れて、平成22年には人工芝サッカー場3面などを持つ和倉温泉運動公園多目的グランド、平成25年には人工芝生サッカー場2面などを持つ能登島グランドを整備。平成27年には、全天候型砂入り人工芝24面を持つ和倉温泉運動公園テニスコートを整備するとともに、能登演劇堂を使っての演劇や吹奏楽等の合宿にも適しており、さまざまな合宿誘致に対応しています。

七尾市でのスポーツ合宿のメリットとして、①宿泊料金がお得②グランド、テニスコートから旅館まで徒歩圏内③民間、和倉温泉旅館組合による合宿サポート④助成金あり⑤全国の強豪校とサッカーの試合ができることの5点を挙げています。
また、課題としては、①閑散時期(12月~2月)の利用率向上②旅館での客単価の向上③ついで観光、飲食店への誘導④テニスチーム強豪校の誘致の5点を挙げられました。

なお、この七尾市合宿等誘致事業補助金については、平成19年から開始されて、市外の団体等で市内宿泊施設において合宿を行う場合には高校生以上の場合一人泊補助金1000円(50人以上、上限50万円)、中学生以下一人泊補助金500円(25人以上、上限25万円)が交付されます。平成28年度の助成額は1854万5千円で、種目別ではサッカーが81.4%でそのほぼ9割が高校生ということです。次にテニス(3.6%)、バトミントン(3.6%)、バレー(3.1%)、演劇(1.8%)と続きます。平成28年の補助金申請の地域別実績は、関西が32.3%、次いで北信越が28.4%、東海が17.3%、関東が16.4%です。

この日は、「七尾市和倉温泉運動公園テニスコート」管理棟2階の会議室での説明後、和倉温泉運動公園多目的グランドまで歩いて移動しました。サッカー場からは七尾湾の海と、砂浜を歩いていけるという和倉温泉の旅館が見渡すことができ最高のロケーションでした。