八戸市の中心市街地まちづくり、札幌の藻岩山(もいわやま)ロープウェイ、余市・仁木ワインツーリズム・プロジェクトについて視察しました。

7月8日㈪は会派の視察で八戸市役所(写真上)を伺いました。聴取したポイントは3点で、①八戸市庁前市民広場の活用状況、②八戸市中心市街地まちづくりビジョン、③「マチニワ」の概要についてです。

八戸市では平成に入り、中心市街地から百貨店やショッピングセンターが4店舗閉店し、さらに市民病院が移転する中で、中心市街地街づくりビジョンにおいて、市街地を商業拠点のみならず、社会的、文化的活動の拠点に位置付けました。そうした中で、八戸ポータルミュージアム「はっち」、美術館、八戸まちなか広場「マチニワ」、スポーツ施設などの事業が整備されてきました。

今回、市役所から徒歩で訪れた「マチニワ」(写真2)はガラスの屋根付き広場で、天候に左右されず過ごせる多目的スペースです。日中は自然光が降り注ぎ、スライドガラスの開閉で夜は街を明るく照らします。「誰でも気軽に立ち寄れる場」であり、「ひとが集い、コミュニケーションが生まれる場」となっているとのことでした。

その後、八戸駅前で昼食を取り、新函館、札幌に向かいました。札幌駅に着いたのは夜7時でした。電車で6時間の移動でした。

 

翌9日㈫午前中は、札幌市内の藻岩山(もいわやま)ロープウェイの視察に向かいました。はじめに山麓駅事務所の会議室において、もいわやまロープウェイの概要を伺いました。沿革は、昭和33年7月に札幌市交通局が定員8名×30台のもいわやまロープウェイの運航を開始し、昭和60年6月に㈱札幌交通開発公社が譲り受けます。その後、平成23年12月に藻岩山の再整備事業が完了してリニューアルをして、現在のもいわやまロープウェイ及びミニケーブルカーの運航が開始されました。

続いて、事前に提出していた質問事項に沿って、詳細な資料に基づいての説明があり、実際にロープウェイに乗り、山頂駅まで案内いただきました。

山麓駅から中腹駅までは最大66名乗りのロープウェイで約5分間、続いて中腹駅から終点の山頂駅までは2両1ユニットで運行するミニケーブルカー「もーりすカー」(30名×2両)に乗り移って約2分間で到着しました。山頂駅には、市街地から石狩湾まで望める展望台・レストラン・売店などがありました。ロケーションにも恵まれており、札幌市の夜景スポットのイチオシであることが理解できました。ロープウェイの年間延べ輸送人員の年間推移は、新型コロナウイルスの影響が出た令和2,3年は30万人台でしたが、直近の令和5年は年間782,561人と前年比113パーセントの伸びです。

インバウンドを含む観光客が圧倒的に多い状況で、令和5年度年間実績では海外12.5%、札幌市民8.1%、道内0.9%、道外78.5%。海外は、韓国、台湾、東南アジアが多く、雪まつりの時は欧米も増えるとのことでした。

年間を通せば8月から10月にかけてピークがあり、1日の中では夕方5時から夜9時がピークとなっています。これは、札幌市が夜間観光に力を入れてきたことで、その代表施設がロープウェイで、札幌市民割引や道内割引も実施しています。

 

最後は、同日9日夕方から、余市町に伺って「余市・仁木ワインツーリズム・プロジェクトについて視察しました。話を伺ったのは、「オチガビ・ワイナリー」を経営する落希一郎氏です。普段は講演会でしか話が聞けなさそうな落希一郎氏のワイナリー経営と地方創生までの話を、現場で、それも地球規模のスケール感で伺い、感銘を受けました。

まず、視察は展望レストランの庭で広大なブドウ畑を背景に話を伺った後、地下に広がる醸造所を案内いただきました。地下タンク醗酵室にはドイツ製のステンレスの大型タンクが47基、樽蔵にはフランスから輸入しているという樹齢150年以上の樫の樽が225樽。ここでは3年で使い替えるため、毎年30樽ずつフランスから輸入しているといいます。次のビン熟成庫には、やがて出荷を待つワインボトルが並んでいました。以前、元フランス首相兼同業者のジャン=マルク・エロ―氏夫妻も訪れているとの話も紹介されました。

視察終了後は、展望レストランで夕食(自前)をいただきました。もちろん、「ワイングラスを片手に」ですね。そういう私はノンアルコールビールでしたが……。