日本3大五葉松の「吾妻五葉松Bonsai展」で90分のデモンストレーションに釘付けでした。

3月24日㈯・25日㈰にコラッセふくしま3階企画展示室で、日本3大五葉松のひとつ「吾妻五葉松Bonsai展」が開催されました。吾妻山の麓で3代にわたり盆栽を作り続ける「ぼんさいや『あべ』」による盆栽の展示とデモンストレーションが行われました。

24日土曜日の午後お伺いした時は、3代目、盆栽作家・阿部大樹さん(写真上)の五葉松盆栽のあらづくりが始まったところでした。
まずは、鉢植えの盆栽を眺めて、どちらを正面にするかを検討。将来どんなカタチになるかをイメージして、この木の見せ場を作る〝主役の枝“を選びます。
まるで人間と向き合うようです。見ていて安心して眺めることができるように、「立派だけど疲れる枝は切ってあげます」。前列で見学していた方に、剪定ばさみでパチンと切ってもらいました。

次に、柔らかいアルミ線で針金をかけていきます。時折、吾妻山に自生している五葉松の写真を見ながら、自然の枝の流れを参考にしつつ。大樹さん自身、弟子時代に、針金賭けには3年半くらいかかったそうです。
接ぎ木テープを使ったり、枝を折らないように工夫を凝らしながら慎重にカタチをつくっていきます。
「普段やっているように、上から体重をかけてやらないとダメなんですよね」大樹さんの緊張感が伝わってきて、70~80名集まった会場もシィーンと静まりかえります。

だんだん完成に近づいてきます。左右だけでなく、前枝をどう使うかが大切です。「空間有美」です。景色のバリエーションができます。枝の長短で、景色をつくっていきます。

タイマーが鳴り、「やはり、ぎりぎりでしたね」と大樹さん。見ている側でも、90分間がアッというまでした。吾妻五葉松の盆栽のあらづくりが完成しました。吾妻山の自然の中での在り様を手本として、時には数十年先の姿を思い描きつつ整形をされました。
祖父の故阿部倉吉氏は、皇居の盆栽も手がけた盆栽界の第一人者です。倉吉氏の著書『五葉松盆栽の作り方』はイタリア語版はじめヨーロッパで数カ国語に翻訳され、その技術は海外でも高い評価があります。会場では、2代目で父親の阿部健一氏(写真下の左)とプライベートで見学していた木幡浩市長(写真下の右)もいらっしゃいました。

主催は福島市観光コンベンション協会(☎024-531-6432)で、昨年に続いて2回目となります。