「やがて、心のコップの水があふれる時が来ます」貧困に負けない力で夢に向かえるようになる日が‥‥。

11月28日㈫、福島テルサで平成29年度福島市青少年健全育成推進大会が開かれ、社会活動家・法政大学教授の湯浅誠氏の記念講演がありました。テーマは、「子どもの貧困を知る」です。

厚生労働省の調査では、国内の子どもの貧困率は13.9%。280万人おり、子供7人に一人が貧困で家庭環境のせいで進学などの夢をあきらめなければならない状況にあります。ひとり親家庭では二人に一人に及んでいます。しかし、周囲の人には、「見えない、気づかないケース」がほとんどです。
「いったい、それの何が問題なのか」といえば、この事態の深刻化で「真っ先に困るのは大人の側」で、少子高齢化社会では「これからの世の中が回らなくなる」と警鐘を鳴らします。

湯浅氏自身を振り返り、子どもが健全に育っていくために親が提供してくれた居場所としての家の存在〈①衣食住が確保②体験の提供③時間提供④病気やトラブル対応〉が大きかったといいます。子どもの貧困化でそれが希薄化するならば「地域や社会がちょっとでもカバーできるといいよね」と語りかけました。
地域みんなの持ち寄り形式で、学習支援や子ども食堂、居るだけ支援などで「しっかりかかわってあげる時間」が子どもの心の自立支援になるといいます。「やがて、心のコップの水があふれる時が来ます。」貧困に負けない力で夢に向かえるようになる日が‥‥。

最後に、当日会場に集まった皆さんに、「自然発生的に、いろんな人がやり始めています。でも、地域と上手く連携が取れていない。(会場の皆さんに)地域のネットワークという資源を少し分けて挙げてほしい。気にかけて、ちょっと覗いてみて、悪い人でなかったら後押ししてあげてほしい」と呼びかけました。