ふれあい歴史館主催の「バスツアー古民家めぐり」に参加。

123日㈯、ふれあい歴史館主催の「ふれあい講座バスツアー古民家めぐり」に参加。講師として「旧家を活かす会」副会長の三浦藤夫氏(三浦工匠店・代表取締役)に同行していただきました。三浦副会長は「歴史と建物をセットで残したい」と思いを語りながら、移動中のマイクロバスの中で洋釘と和釘の見本を回され、片や50年もつ洋釘に比べ、和釘は数百年もつという話など、大工目線での説明に興味をひかれました。

最初に訪ねた大森の月光醤油は、江戸末期に建てられた150年以上の歴史を刻んだ商家の建物です。ご当主に直接説明していただきました。中でも冠婚葬祭などに使われたという座敷蔵が印象的でした。母屋とつながり直接入れる造りです。

次に、仁井田の旧佐久間邸では、長屋門(正門)の手前にめぐらせた堀が亀甲石積でできていることや通常の玄関以外に殿様や役人を迎える時だけに使う「式台玄関」を備えていることが説明されました。また、欄間にはスズメが彫られていて、伊達藩の影響が及んでいたということです。

3番目には民家園を訪れ、各人持参の昼食をとりました。

梁川から移設された広瀬座では、許可をいただき回り舞台を動かす体験もありました。園内には、先ほどの旧佐久間邸の「板倉」(モミを貯蔵)が移築されています。ここで講師の三浦副会長から、興味ある話が。「モミ蔵は樅の木で作るとネズミがいやがる。繊維が針のように歯に刺さる?から」とか。

次に、土船の梅津邸で市の天然記念物「土船の忍びの松」を見学。樹齢350年と推定されるアカマツの変形した極めて珍しい一型です。

最後に、県立美術館前の瓶子邸へ。今年度、国の登録有形文化財に登録されました。母屋・離れ・文庫蔵・長屋門・氏神社・穀蔵・土蔵・味噌蔵など、白壁塀と土蔵に囲まれた大きな屋敷です。土蔵を現在、コンサートホールとして活用しています。

今回、月光醤油も瓶子邸も屋敷の前をクルマで通るたびに気になっていただけに、内部を当主の方に説明いただきながら見学できたのはとても幸運でした。それぞれの施設で話を伺うにつけ、福島市の文化財に対する維持経費が持ち主に頼りっきりで、もう少し公的負担を増やせないものか改善の必要性を感じました。