片山善博氏の講演「地域づくり・人づくりと図書館」を聞き、行政の課題と司書の重要性を再認識しました。

210日㈯、午後130分から「福島市の図書館を育てる市民の会」40周年記念事業の講演会が県立図書館講堂で開催されました。講師は、元鳥取県知事で慶応義塾大学法学部教授の片山善博氏。演題は「地域づくり・人づくりと図書館」でした。

開口一番、「まず、自治体の中で図書館が正当に位置づけられなければならない。大半は経営主体であり大きな影響力がある自治体が、図書館にもっと光を当てて地域に活力をもたらすことが重要です。しかし、特に自治体中枢の財務部や人事部、また議会における図書館への認識が弱い」と指摘がありました。

片山氏自身、鳥取県知事時代に一計を案じて、県庁内に職員向けの小さな図書館を作られました。それまでは、職員が政策を作る時は、国へ聞いていたため“霞が関流のもの”であったが、県庁内図書館をオリジナルの情報収集をするためのアクセスポイントとして位置づけ、優秀な司書二人の協力の下、「今までの中央官庁のバイアスのかかった資料だけに頼らず、現場で自分たちが考えて資料を集め、全国に注目される施策を打ち出していった」といいます。片山氏自身も知事時代、北欧の施策の情報集めに司書の方には大いにお世話になったそうです。今後、学校の図書室や図書館へ司書置くことはもちろん、司書のいる議会図書館や司書経験者のいる教育委員会事務局が本来の姿ではないかと語りました。