2月3・4・5日の3日間、経済民生常任委員会の行政視察において、浜松市・岡崎市・恵那市で精力的に調査を行いました。

2月3日㈪、経済民生常任委員会の行政視察で浜松市役所を伺い、「音楽によるまちづくり」の取り組みについて調査しました。
浜松市は、ヤマハ、カワイ、ローランドなどの企業が本社を置く世界的な音楽産業の集積地で、楽器そして音楽に関わる技術や人材が浜松市ならではの都市資源で、昭和56年からの「楽器のまち」から「音楽のまち」への継続的な取り組みが実を結び、音楽文化という都市ブランドを形成のするに至っています。その取り組み内容と、音楽文化を担う人材の育成についてなど詳細に伺いました。

2月4日㈫は、行政視察2日目。愛知県の岡崎市の市図書館交流プラザを伺い、音楽の力で進める地域の活性化「ジャズのまち岡崎」の取り組みについて調査しました。
まず、岡崎市にジャズの種を蒔いたのが、後に国内外で「ドクター・ジャズ」として親しまれる岡田修氏です。市内で外科病院の開業医を務めながら、ジャズの魅力に取りつかれ院内にスタジオを開設。数多くのジャズミュージシャンと交流し、深い信頼関係を築いていくことになります。それらをベースに、名古屋のヤマハ音楽ホールでは33年間にわたり150回の例会講座を開催。1993年の閉院に合わせて、それまでのジャズコレクションを市に寄贈するとともに、「活用してほしい」との思いを市に伝えました。

その後、2004年に誕生した市民発の「岡崎ジャズを楽しむ会」が母体となってスタートした「岡崎ジャズストリート」。これに追い風となったのが、2006年春から岡崎を舞台に、ジャズピアニストを目指す女性を主人公としたNHK連続テレビ小説の作品『純情きらり』の放送でした。「何でジャズ?といった雰囲気だったそれまでの空気が、ガラッと変わった」といいます。その後は、毎年11月の第一の土・日は街中がジャズに染まる大きなイベントに成長し、行政も積極的に参加して現在まで続いています。

1階の会議室での座学の後、同館2階の内田修ジャズコレクション展示室を視察しました。ジャズミュージシャンの方から寄贈されたコントラバスやテナーサクソフォーン、視聴できるレコードコレクション、病院内に作ったスタジオの再現など、「ドクター・ジャズ」こと内田修氏の熱い思いが伝わってきました。また、福島出身の音楽家・大友良英氏との接点も紹介されて身近に感じました。

2月5日㈬は、経済民生常任委員会の行政視察3日目。岐阜県恵那市役所を伺い、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」への取り組みとその効果について調査しました。

岐阜県出身の脚本家・北川悦吏子氏の母親の実家のある街で、幼いころ記憶が残されている恵那市周辺がロケ地となり、放映期間中は平均視聴率21.1%の反響があって前年比約4倍の入り込み客数に。年間を通しても、前年平成29年19万人の観光入込数が、平成30年は42万人まで伸びる。地域の人たちは、「週末、ロケ地は東京と同じくらいの混雑で、NHKの影響はすごいと驚かされた」そうです(NHKとの関係性がポイントであることを、いろいろ実例を挙げて紹介いただきました)。

市観光交流課では、番組スタートから約2か月ほどの出遅れ感はあったものの、平成30年5月には「連続テレビ小説『半分、青い。』活用事業アクションプラン」を策定。「観光客の増加、域内消費の拡大、地域の活性化」を目的に、➀観光客の満足度を向上する②観光客の購買意欲を向上する③恵那市の魅力発信と誘客促進する3本柱の事業を展開することになりました。
ドラマ放送終了後については、ロケ地岩村城下町商店会の取り組みや東美濃歴史街道協議会の広域連携について、令和元年度の主な事業としては「新『半分、青い。』1周年記念イベント事業」などについて説明いただきました。
中でも、ドラマのキーアイテムで話題となってブレイクしたのが郷土食「五平餅」で、これに関するイベントなどの取り組みに興味が惹かれました。

ところで、2番目の岡崎市から電車を乗り継ぎ恵那市についたのは前日の夕方近くでした。ホテルの隣のCO-OP前に、中山道木曽路名物「郷土の味覚」五平餅の出店を見つけました。早速、「わらじ五平(250円)」を1本、注文。焼きあがるまでの数分間、「小学校の給食にたまに小さい五平餅が出ること。『半分、青い。』の時はハンパない注文があって、大ブレイクだったこと」などを伺いました。
撮影の了承を得ると、「この店は、クルミダレに2度通して焼いています」と店員さん。少し焦げ目がついた五平餅は、香ばしくて、美味しくいただきました。

なお、今回説明いただいた観光交流課では、NHK大河ドラマ「麒麟が来る」の放映に合わせて、「大河ドラマ活用推進室」を設けて、「恵那市明智町は明智光秀ゆかりの地」と銘打ち、様々な観光展開を始めていることも紹介いただきました。