「待機児童の解消に関する調査」のため明石市・福生市・松戸市を行政視察。
2月6日㈫、2泊3日予定の文教福祉常任委員会の行政視察1日目は、兵庫県明石市役所へ。「待機児童解消緊急対策・保育所受入枠の拡大および保育士の確保について」、福祉局の待機児童緊急対策室のみなさんに話を伺いました。
明石市では、平成28年1月に待機児童緊急対策室を設置して、保育所等の新設等を促進。平成29年4月までに利用定員800名規模の受け入れ枠と共に保育士確保の取り組みを進めました。ところが、「第2子以降の保育料の完全無料化」、「中学生までのこども医療費完全無料化の継続」等の子育て支援策により、予想を上回るペースで出生数や転入が増加する中で新たな保育需要が喚起されて、申し込みが約1000人増加。速報値で平成29年4月の待機児童数が547人発生し、全国ワースト6位へ。現在、平成30年4月の待機児童解消に向けて、平成29年度中に1200人規模の受け入れ枠の拡充を図っているところでした。
明石市では、年度内に新設園を2か所開設した他、新たな取組みとして、地域枠設置へのインセンティブを設ける企業主導型保育事業の推進策及び緊急的な一時預かり事業の実施、市立幼稚園の3歳児受け入れや預かり保育時間の延長など様々な手法により、緊急的に受け入れ枠を拡充しています。(写真②、会議室からは、雄大な明石海峡大橋と淡路島が臨めました)
翌7日㈬は、明石市から約6時間電車等を乗り継いで、東京都福生市(ふっさし)へ移動。「子ども応援館」を訪問し、子ども家庭部の皆さんに話を伺いました。発端は、「平成27年12月に翌年4月の保育園入園の受付を行った時に待機児童が倍増する見込みとなり、市長指示で本腰を入れて待機児童解消に向け始動したとのことです。
福生市では、検討の結果、①ランチルームなどの保育施設の余裕スペースを活用し、市独自施策の「定期利用保育」に実施、②「障害児保育」に全園対応、③「一時預かり」を全園で実施(里帰り出産にも対応)。「子育てするなら ふっさ」を合言葉に、平成28年・29年の2年連続で「待機児童ゼロ」を達成し、「共働き 子育てしやすい街 総合ランキング」3年連続高評価を受けています。
最終日8日㈭は、千葉県松戸市市役所の子ども部幼児保育課の皆さんに伺いました。まず、都心から20キロ圏に位置し、東京駅から松戸駅まで最短24分という立地がポイントと思われました。平成26年から4年間で民間保育園17か所、小規模保育施設44か所を整備し、平成29年4月時点で2年連続「待機児童ゼロ(国基準)」を達成しています。特に、0~2歳児への対応では市内全23駅への駅前・駅中に、平均16名という小規模保育施設を45設置。また、3~5歳児対応では①幼稚園預かり保育の拡充②公私連携型保育所の開設③送迎保育ステーションの設置④認可外保育施設への支援などを実施。民間活力、特に社会福祉法人との連携策、その手法に学ぶべき点が多く感じました。また、保育の質の維持、向上にも力を入れていて①重大事故防止への対応、②「松戸手当」の直接支給、③保育の質の向上を目指した総合的なガイドライン策定(平成29年10月)など取り組みを実施しています。「これまでの取り組みの結果の一つとして、形になったのが『共働き子育てしやすい街ランキング全国編(東京を除く)』での2017年の全国編1位だと思います」。説明にあたられた大澤勇樹さんは、福大経営経済学類を卒業し、松戸市役所にお勤めになられて4年目と伺いました。
会議室での説明後、帰り際に松戸駅前の小規模保育施設を見学させていただきました。下の写真ですが、地元の社会福祉法人による保育施設が4施設運営され、立地的にも駅ビルと歩道橋で接続されて利便性バツグンでした。