視察2日目。熊本市中心市街地、桜町・花畑周辺地区のまちづくりは4車線の市道を廃止して広場化。拠点性と回遊性の向上を目指すものです。

2月1日は、熊本城傍の熊本市役所で、「桜町・花畑周辺地区のまちづくりについて」話を伺いました。

以前、熊本城の天守閣を望む通称「シンボルロード」(4車線・延長230メートル)にはバスターミナル・百貨店・ホテル・NHKなどが連なり、中心市街地の核の一つでしたが、施設の老朽化やバリアフリーの未対応などの課題が多く、拠点性が低下していました。そこで中心市街地の拠点性と回遊性の向上を目指し、公共交通と連携したコンパクトシティの形成を目指して官民連携による一大プロジェクトが始動。平成18年の民間会社による桜町再開発構想発表、平成20年の熊本桜町再開発準備株式会社の設立です。

平成24年には、熊本市が「桜町・花畑周辺地区のまちづくりマネジメント基本構想」を策定し、基本理念を車中心から人中心の考え方に転換して、今までのシンボルロードからシンボルプロムナードへ変化。デザインコンセプトも、「熊本城と庭つづき『まちの大広間』」となりました。結果的には、警察と協議の上、もともとバスターミナルの出入り口があった4車線の市道を廃止。広場化して、市が一括管理することになりました。

今回のプロジェクトのカギとなる‟デザイン“は、延べ8,000人以上の方から意見を聴取して反映したものでした。シンボルプロムナードに隣接する建物も、基本計画のデザインガイドラインに則ってデザイン調整が行われ、NHK新熊本放送会館、屋上庭園のある桜町再開発施設が形づくられました。

その後、平成28の熊本地震により、桜町再開発施設(令和1年開業)の耐震・防災性能、新しい花畑広場も一時避難場所にも指定されてマンホールトイレなどの防災機能が強化されました。シンボルプロムナード、花畑公園などを含めた花畑広場が全面供用となったのは、令和3年でした。

市役所での説明の後、歩いて現地を調査しました。