福島県立医科大学の「ふくしま国際医療科学センター」を視察。中型サイクロトロンの内部に入り、説明を伺いました。

すべての施設の整備が完了し、昨年(平成28年)12月11日にグランドオープンした福島県立医科大学の「ふくしま国際医療科学センター」を、1月19日㈭に会派の視察で訪れました。この医療センターは、5つのセンターと2つの部門(教育・人材育成部門、先端診療部門)から構成されています。5つは、①放射線医学県民健康管理センター、②先端臨床研究センター、③医療・産業トランスレーショナルリサーチセンター、④甲状腺・内分泌センター、⑤健康増進センターです。

「本センターの事業は、原子力発電所事故後の県民の健康状態を長期にわたり見守ること、最先端の医療機器を用いて病気の超早期発見を行い、高度専門的な治療を提供すること、そして、最新の診断・検査薬の開発などを通じて医療産業を育てて地域復興につなげることです。このような事業を通じて、病気の予防と健康増進、更には健康寿命を延伸することをめざしています。私たちは、震災・原発事故で学んだことを確実に後世に残していかなければなりません。本学は、福島の経験をサイエンスとして展開し、次代を担う医療人の育成に役立てていくという責務を担っています」(谷川攻一センター長あいさつから)。

それぞれ3人の担当者から事業概要を説明いただいた後、「総合周産期母子医療センター・こども医療センター」と「先端臨床研究センター」の2か所の現場を見学しました。特に、先端臨床研究センターでは、早期診断に期待される日本初の統合型PET/MRI(写真中は案内していただいた萱野大樹先生)と、国内最高スペックの中型サイクロトロン(写真下、説明は富永英之先生)を見せていただきました。中型サイクロトロンは、遮蔽のドアが厚さ2メートルという扉を開けて内部に入り、説明をいただきました。特に、現在、輸入に頼っているPETに使う新規放射性薬剤の原料作成に期待がかかっているといいます。