現在、政令指定都市の浜松市は、令和5年度末で行政人口は78万6,792人、下水道の人口普及率は82%です。平成17年の12市町村の合併により7処理区の編入があり、この合併により平成28年4月に静岡県から西遠流域下水道区域が浜松市に事業移管されました。
しかし、これに伴う財政負担、人員配置等の運営体制を検討した結果、同市が行財政改革中であったため、職員の大幅な増員等は難しい状況にあり、さらには良質な公共サービス確保の観点から、事業移管された西遠流域下水道区域(西遠浄化センター)に、平成30年に全国初のコンセッション方式が導入され、運営委託が維持管理+改築更新で、契約期間が平成30年から長期の20年間の契約となりました。
今回説明いただいた事業範囲、利用料金の仕組み、利用料金と費用負担の関係、コンセッションでの改築フロー、運営権対価、モニタリング等において示された「浜松方式」と呼ばれる特徴が、それぞれ先駆的な試みとなっています。
最後に、「事業における課題として」縮減したコストに対する考え方として、「この利潤が市民から徴収する利用料金を源泉とすることを考えると、公益性の確保という観点から、サービス水準のさらなる向上に還元できる仕組みがあるといいのではないかと考える」と回答いただいたが、大切な視点と思いました。
※注1 コンセッション(公共施設等運営事業)方式とは、「利用料金の徴収を行う公共施設等について、施設の所有権を地方公共団体が有したまま、運営権を 民間事業者に設定する方式」です。運営権者は、原則として利用者から収受する利用料金により事業を運営します。
※注2現在は大小さまざまな10の処理区がありますが、西遠浄化センターを除く9施設の浄化センターと16のポンプ場は、5年から7年間の包括委託です。
そのポイントとして、①平成28年度からの上下水道事業経営審議会の設置・開催 ②上下水道一体での経営の効率化促進の2つを挙げました。
今後の課題として、水道事業での基幹管路の計画的な耐震化推進、また、下水道事業では下水道管の老朽化による更新時期が集中し、更新費用の増大が見込まれることから、効率的・効果的な維持管理に向け、ウォーターPPP(※注3)やAIを使った先端技術の調査・研究等を行い、導入可能性を探っていきたいとのことでした。
今後の展望については、①人口減少等で料金収入の増加が期待できない中、上下水道施設の耐震化や維持管理を適切に行い、将来にわたり持続可能な上下水道事業を経営していくための強固な財政基盤の確立と、②市民に安全安心な上下水道サービスを適正な料金で提供することをまとめとしました。
※3 水道や下水道の管理・運営・更新業務を長期的に民間事業者に委託し、民間のノウハウや技術を活かして効率化を図る官民連携方式。老朽化対策や職員減少に対応するため、国が推進している手法です。