70年の旅を経た90歳の彼にして、いつものリズムとスタイルに満足させられました。

5月8日㈯は、未来の祀りふくしま実行委員会主催の「谷川俊太郎さん、賢作さんと、詩と音楽と声の時間」に参加してきました。

パルセいいざかの会場では、詩人の和合亮一さんのコーデネイトで、第1部は和合さんの自作の詩の朗読と賢作さんのシンセサイザイーとのセッション、第2部は賢作さんと親子のやり取りを含めて、東京の自宅からズームでの俊太郎さんによる詩の朗読でした。

朗読は、「電気スタンド」、「夜よ来い」、「事情と業(ごう)」と、今年1月2日に朝日新聞夕刊に載った「み」の4編。

特に、「事情と業(ごう)」は、ウクライナも絡めて、「‥‥敵味方の自問自答  /  等身大のゲップをする」と。書棚をのぞくと、「‥‥二十億光年の孤独に /  僕は思わずくしゃみをした‥‥」の初版は1952年。70年の旅を経た90歳の彼にして、いつものリズムとスタイル。ノートにメモを取りながら、満足させられました。

和合さんからの質問に対して、「推敲、詩を作るのが楽しくなっている。生きがいになってますよね。(最近は)その時のアドリブで書いている。結構、何日間も推敲している。詩の語り口を革新したい」と、衰えない創作意欲が語られました。久々に、刺激的な時間をいただきました。

なお、詩のタイトルは話し言葉をこちらで文字化しました。