久々に興味をそそられ、ページをめくりました。
久々に興味をそそられ、ページをめくりました。
定期的に議員のレターボックスに届く『考える主権者をめざす情報誌Voters』です。発行は公益財団法人明るい選挙推進協会で、隔月刊、表紙含めて30ページ弱の小冊子です。
今回No.61の巻頭特集は、「政治と選挙」で、4名の研究者のレポートを掲載しています。タイトルを拾えば、「政治参加とは何か」(境家史郎氏)、「政党(与党、野党)の役割」(古田徹氏)、「秘密か公開かー投票方法と民主主義」(川出良枝氏)、「政治家の仕事―ウェーバー「仕事(職業)としての政治」への案内」(野口雅弘氏)となります。
再認識させられたのは、まず、吉田氏の「政党の衰退があるならば、それは再発明されなければならない」という発想であり、川出氏の「投票は私的な権利ではなく、社会がそのメンバーに信託した『公的責務』なのである」、「公務に責任を持つ市民の責務」という点です。「投票」というものを「権利」というレベルで浅くとらえる昨今の風潮に対して、人任せに出来ない「市民の責務」という主権者自身に自覚を迫ったものとして新鮮に思うとともに、時代の危うさを気づかされました。
最後に、野口氏のマックス・ウェーバー研究からの政治家論です。「相手の意見に耳を傾け、自分の考えをわかりやすく述べ、争点を明らかにしたうえで決断する。こうしたことをプロとして行うのが政治家である」。
今回、野口氏が取り上げられたマックス・ウェーバーの「仕事としての政治」の講演は、第1次世界大戦後のドイツで社会的・経済的格差が深刻化する中、1919年1月下旬にミュンヘン大学近くの書店で行われたものです。その後、ウェーバー自身は、1920年6月に世界的なパンデミック、スペイン風邪で亡くなりました。
私自身、多分、40年前の森合のキャンパスで少し学んだはずですが、今となって記憶に残っているのは彼の名前だけです。しかし、今回、新型コロナ感染症のパンデミックで繋がり、改めで文庫本を紐解くこととなりました。