『Workers(ワーカーズ)被災地に起つ』(森康行監督)の上映初日、監督のトークショウも共感しました。

2月16日㈯、福島市音楽堂小ホールで開催された「福島駅前自主夜間中学校歌発表会」の折に、夜間中学ドキュメンタリー映画「こんばんはⅡ」(森康行監督)が上映されました。この時に配られたチラシ『Workers(ワーカーズ)被災地に起つ』(森康行監督)に興味を惹かれ、2月22日は数十年ぶりにチケットを購入してフォーラム福島に足を運びました■ワーカーズコープ〔協同労働の協同組合〕とは、働く人や市民が出資して自分たちで経営と責任を分かち合い、人と地域に役立つ仕事をおこす協同組合で、世界的には法律の整備が進んで地域社会活性化の担い手になっています。日本でも同様の働き方をしている団体、個人が10万人以上就労して1000億円以上の事業規模を実現しており、現在、法制化に向けて議論の真っただ中といいます。映画では、東日本大震災から立ち上がった大槌町の地域共生ホーム、気仙沼市の共生型施設、亘理町の多機能型総合福祉施設、登米市福祉事業所などで真剣なまなざしで働く若者たちの姿を映し出しています■森監督は、「新しい文明や経済の仕組みを準備する時代の到来を、東日本大震災は告げているように思います。その文脈の中に協同労働という働き方が、これから出番を迎えているのではないでしょうか。一人ひとりが文字通り基本的人権を持った人間として働き、生きて行く。それが『震災後を生きる』ということではないかと、この映画を撮り終えて思うことです」(パンフ)■初日のこの日は、上映後、森監督のトークイベントがありました。この場で、ワーカーズについて、「(日本の会社は)あまりに忙しい。あまりに自分のことをやらなければならない。少しのミスでも許せない。そんな社会状況が非常に強まっている。(ワーカーズは)人を疎外しない、排除しない。持ち味を最大限引き出す組織だな」と■以前、「雇用なしで生きるースペイン発『もうひとつの生き方』への挑戦」(藤田孝典著・岩波書店)で、ユニークな「時間銀行」や進化した地域通貨のレポートを読み、現状の閉塞感を脱した多様な働き方に新鮮な感動を覚えました。今回は新しい働き方の領域を開拓して「地域活性化のオリジナルな切り札」となるのではないかと思いました。2月28日㈭までフォーラム福島で上映中です。